弁護士 勝部 泰之
青森県生まれ。立教大学卒業後、2007年に弁護士登録。
2015年8月 Yale University Summer Session 修了。
2016年6月 George Washington University Law School卒業(知財法専攻)。
2017年麹町アセット法律事務所を開業。
早速ではありますが、弁護士を目指されたきっかけを教えてください。
私は付属高校の内部進学だったのですが、成績が500人中480位くらいで、選べる学部が法学部くらいしかなかったんです。当時はバブル期だったせいもあって、単位取得が難しい法学部は内部生に全く人気がなかったんです。
そんな経緯で法学部を卒業した後、専門性が高い資格を何か取りたいなと考えて、司法試験に興味を持ち始めました。
ちょっといい加減な感じもありますが、もともと夢中になると止まらない性分で、試験準備はかなり力を入れてやりましたね。合格したときの論文の成績は上位一割以内に入っていましたし、気合が乗ると集中するタイプです。
好きなことは一日二日徹夜しても気にならないのに、興味のないことは5分と集中できない性分で、昔も今も全く同じですね。
それから、弁護士事務所や海外留学を経て独立されたとのことですが、開業後に苦労したことはありますか?
最初は苦労の連続で、このまま廃業しようかと思ったことも何度もありましたが、独立後1年弱で落ち着きました。
私の場合は、「売上に対するこだわり」と「不特定多数からの受けの良さ」を捨てることによって楽になりました。
まず、売上に関しては贅沢せずに経費が回せればそれで十分と考えるようにしました。下手に売上が立っても税金で持って行かれるだけですし。
私の父は某上場会社の社長だったのですが、とにかく「固定費の圧縮」「借金は慎重に」が口癖でした。売上のコントロールは難しいですが、ここさえ守っていれば潰れることはない。至言だと思います。
もう一つは、ターゲットを絞り、不特定多数を捨てることです。
自分の収益と想定顧客をイメージして、そのお客様の満足が最大になるよう徹したのです。逆にそのイメージに合わない問合せは全て入口段階で断るようにしました。中途半端にやってもお互いが不幸になるだけですし。
最初は勇気が要りましたが、結果的にはそれが正解でした。
どのような領域を強みとしていったのでしょうか?
私は独立する前に証券会社で社内弁護士をしていた経験があるのですが、そのイメージをそのまま応用した顧問弁護士業です。会社の中で流れている仕事の形に合わせてお手伝いをさせて頂く感じですね。
また、分野はシステム開発、ブロックチェーン、金融、AIやそれに関する知財に絞っています。
特にブロックチェーンについては、現在登録中の仮想通貨交換業者の立ち上げ段階でコンプライアンス整備とシステム開発の両方で経験を積みましたし、もともと凝り性だったこともあって、ビットコインOSSのソースコードを読んだり、コミュニティ内のディスカッションにも目を通していました。
自分が大好きなことだけをやらせてもらっているのでストレスは全くありません。法律にこだわらずに特定の分野に絞って知識を深く掘り下げておけばレスポンスの質やスピードも上がりますし、経験の蓄積も倍加します。いいことづくめです。
今後、目指していることはありますか?
現在、個人的に株式会社リーガル・テクノロジーズという会社の代表をしており、弁護士業と二役こなしているのですが、自分の理想は一般的な弁護士の成功モデルと異なっているかも知れません。
一般的な弁護士のイメージというと、法律のことならなんでも詳しくて、訴訟や揉め事に入っていって高額な報酬を稼ぐという感じだと思います。現に、私と同じくらいの年齢だと収入は億を超えているという人もちらほらいます。
ただ、自分はそういうのには全く興味がありません。
それよりも、自分が得意な分野に24時間365日触れて、誰よりも詳しくなりたいという思いが強烈にあります。
衣食住賄えるなら別に無報酬でもいいくらいで、その代わり自分が苦手なこと、興味がないことにはとにかく時間を使いたくない。そこは徹底していますね。
むしろ、事業立ち上げや、最近は自分で特許出願したりもしているのですが、大きく儲けるという観点ではそっちの方がはるかにワクワクします。
最後に、メッセージをいただけますか。
色々な仕事のスタイルがあると思いますが、私が何よりも大事にしているのは「正直さ」です。顧客の支払い能力によって単価を変える、知らないことをさも知っているかのように話す、そのようなことをしていてはいつまで経っても本当の信頼関係は築けないと思います。
そのときに出せる自分のMAXを出し惜しみせず出す。そのスタイルを今後も貫いていきたいと思います。
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