株式会社スマートドライブ
代表取締役 北川 烈

慶応義塾大学在籍時より、複数の新規事業立ち上げを経験。
その後1年間米国へ留学し、エンジニアリングを学んだ後、東京大学大学院に進学し、移動体のデータ分析を研究。
在学中にスマートドライブを創業し、代表取締役に就任。

早速ではありますが、起業の経緯を教えてください。

私は、大学学部時代に金融、大学院時代には情報工学を専攻として移動体のデータ分析の研究を行っておりましたので、これらの情報と金融を活かしたもので、何か社会的にインパクトがあるものを、研究ではなくビジネスとして提供できないかと考えていました。
留学したアメリカでは、すでに自動車の健康診断などもデータを活用したものが増えてきていましたが、ガジェットの域を出ないものばかりだったので、toBを絡めるなどして同様のビジネスを日本で展開できればもっと可能性が広がると思ったのがきっかけです。

もともと起業することは考えられていたのでしょうか?

そうですね。父親が経営者だったこともあって、起業すること自体には抵抗がありませんでした。ただ起業そのものがしたかったわけではありませんが、留学中にやりたいことが見つかれば、就職ではなく起業する風土を肌で感じていたため、何か本当にコミットできるテーマが見つかれば、自然と会社を作るだろうなとは感じていました。
ただ、特に車が好きだった訳ではありません。「移動」という分野に興味があり、技術と金融というバックグラウンドを活かしてビジネスをしたいと思ったことがきっかけですね。
その中で車は生活に密着していますので、普及が早いと思っていましたし、人の動きや移動体を最適化したいと考えました。

独立後、苦労された時期などはありましたか?

我々の事業は、一人のエンジニアではなく、ハードウェアやアプリ、解析など様々なスキルをもった人がいないと成り立たないビジネスモデルです。そのような人材がいないと製品やサービスも生まれませんし、そのための人や資金集めには今も苦労はしています。

最終的にどのような方達が集まったのですか?

ほとんどの従業員が私よりも年上で経験豊富なメンバーが集まりました。役割として私が代表を担っているだけですので、出来ない部分は周りの人に助けてもらうようにしています。
これまでもそうですが、たとえ年齢差があっても皆さんと向き合えば解決できることがたくさんあると考えています。

そのような皆さんとつくるサービスは、どのような点が強みとなっているのでしょうか?

自動車のメーカーが今後我々の領域に入ってくることはあるかと思いますが、メーカー同士でデータを共有し合うことはないと考えています。そのようなメーカーは、ハードウェアとして良いものをつくり、業界内で縦割りとして競合優位性を保ってきたと思います。
その中での我々の強みとしては、業界横断でプラットフォームを提供し、様々なデータと繋がりながら日々改善しながら良いものをつくっていますので、そこが他にはない強みだと考えています。

海外展開されたのは、どのような経緯があったのでしょうか?

サービスを日本だけに閉じたいと思ってはなく、主に東南アジアを主軸として海外にも展開していきたいと考えたからです。
ヨーロッパや北米などは州ごとに規制があったり、言語を含めた環境におけるハードルも高いと思いますが、新興国は日本車も進出していますし、法規制も少なく、日本から出て行く際に受け入れやすいと思ったのです。
既に深圳にオフィスを構えていますが、現地で当社にはない技術をもっている企業と提携することで、東南アジアを攻める拠点としていきたいと思っています。

さらなる展開のために、今後の戦略はどのように考えられていますか?

我々の技術を通して、市場において面を広げていきたいと考えています。法人顧客はもちろん個人顧客への提供強化をしていきますし、他の市場へも進出していきたいです。
サービスが、車両の動きを可視化することや保険料削減という軸で展開していますので、そのニーズがまだ顕在化されていない国やカルチャーもあると思いますが、国としての成熟度やマーケットサイズ、類似サービスの競合状態に加え、まずはシンプルに親日で日本車が普及しているかどうかという点も重視して考えています。
あとは、現地で良い販売パートナーなどが見つかるかどうかですね。

これらのことを実現するために、どのような方と一緒に働いていきたいですか?

スキルがあることは大前提ではありますが、我々の世界観に共感してもらえることが一番ですね。
その上で、素直で信頼できるかどうか、腹落ち感をもって事業展開し、やりきれる人と一緒にサービスを拡大していきたいです。

最後にメッセージをいただけますか。

我々もこれからのところはありますが、事業をつくり海外進出するためには本気度が必要だと考えています。
実際に現地の方と話す際にも、「日本企業は現地視察には来るが、事業をやらない人が多い」と言われることも多いです。
言語の壁はあると思いますが、言語の壁以上にその人の話を聞きたいと思ってもらえるかが重要だと考えています。相手に聞く姿勢があれば言葉が通じなくても伝わることもあると思いますので、言語の壁を崩せる程の本気度をもって事業展開することで、道が開けてくるのではないかと考えています。

 

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