EXest株式会社
CEO and Founder 中林 幸宏

早稲田大学卒業後、広島テレビに入局。 スポーツディレクターを経て、外勤営業、大手クライアント広告宣伝活動に携わる。
2013年早稲田大学ビジネススクールに入学し、2015年MBAを取得。
2016年にPool&Moon株式会社、EXest株式会社を設立。

中林社長は2社目の起業と伺ったのですが、もともと独立することは考えていたのでしょうか?

大学卒業後に入社した広島テレビ時代では地方局同士の繋りもあり、その土地に住んでいないと知らないような場所に連れて行ってもらうことが多く、その情報にこそ価値があるのではないかと考えていました。
その後、スタートアップの会社に勤めた後、自分で何かやろうと考えた時に、テレビ広告の指標の一つである視聴率と、デジタル広告の指標の一つであるインプレッションの概念を比較できる基準にして考えていくことが大事で、その中で何ができるか考え、デジタルマーケティングをコンサルティングする会社を立ち上げました。

その後、現在のEXestの立ち上げに至ったのですね。

そうですね。起業がきっかけとなりシリコンバレーに渡米して、様々な方と出会い、世界で戦うというのはこういう事かと実感したのを覚えています。
その渡米時に、一社目の利益が出たことに対してとある起業家に「それだけで満足せずに世界を変える市場をつくれ」と助言いただいたことがありました。同時に、もっと違う領域で勝負できるよう、チャレンジしようと決心したのです。
それらのことがきっかけで、沢山の方から影響をもらい「我々のサービスがあれば、繋がれない人と繋がれる」と思ってもらえるような会社を作る必要があると思い、EXestを設立しました。

今までの事業において苦労された時期はありましたか?

おかげさまで、起業した一社目の利益が資金としてありましたので、お金に困ったことはなかったです。
ただ、資金調達をしながら事業を確立して行くとなると、人材も必要となり、そうなると一社目の資金だけではどうにもならなかった時期は一番苦労しましたね。
また、入社してくれる人たちはとても思いが強い方が多く、個々でスペシャリストを目指したり、マネジメント層を目標としている方など様々でした。
一方で、スタートアップですので専門以外の業務も行う必要がある中で、そのバランスを取ることが大変な時期もありましたね。
ただ、EXestの一番最初の船に乗ってくれてる人になると思いますので、頻繁にコミュニケーションをとったり、週三回ほど飲み会も開催するなど、風通しのいい環境づくりをしています。

貴社の強みは、どのような点になるのでしょうか?

もともとテレビ局上がりですので、約50もの地方局と提携をしています。情報網も多い中で配信できるコンテンツも多く、地方局の方々から資料や映像をいただくことができる環境です。
現在では東京海上日動火災保険社と提携し、通訳案内士向けに保険を提供し、通訳案内士、サービスを利用いただく全ての訪日外国人の方に保険を適用しています。
C to Cのビジネスですので不安に思う方も多い中で、特にリスクと感じやすいツアー日程の変更やけがの場合の治療費などが補償対象となるサービスです。
我々にしかできないビジネスを提供したいという思いは着々と実現しています。

なぜ訪日外国人をターゲットに事業をされているのでしょうか?

訪日外国人は、例えばGoogleやOTAを利用して日本を訪れると思いますが、東京や大阪、京都など主要都市ばかりで、自分の知らないところには行けずに、がっかりすることすらできない状況です。
日本を訪れ、もっと好きになってもらうために地方のコアな情報を出すことや、地方局で得たコンテンツを利用して、日本の良さを伝え、訪日外国人の方々を様々な場所に連れて行くというサービスを提供していくことで、もっと日本の魅力を伝えていきたいと考えたのです。

日本の課題解決としても考えられているのでしょうか?

そうですね。近年、少子高齢化問題が深刻化しています。でも、私はこの問題を我々のビジネスで解決していけると考えていて、高齢の方々には我々には無い「経験」という武器を持っています。
実際に体験した情報には価値があると思いますので、地方の現地と提携して歴史や文化を体験できる観光業を作っていきたいです。

今後は、どのような展開を考えられているのでしょうか?

海外において旅行業と観光業の概念を分けて、手段と目的を知ってもらいたいと思っていますので、観光業の中に旅行業があるということを確立していきたいです。
観光という目的のために、移動や宿泊などの手配を行い、その目的をEXestが作っていきたいと考えています。
また、私たちが考えているビジョンは、「EXestがなかったら出会っていない場所や環境を作り出すこと」です。行きたいところに行けないということを解消するために、海外に行く際に通訳案内士やガイドとのマッチングのプラットフォームを拡げ、世界に展開していきたいです。
すでに、日本全国の地方局から手に入れた観光スポットなどの動画をAIで開発してデータ化しています。このシステムを活用して新たなビジネスを生み出していきたいですね。

それらの実現のために、どのような人と働いていきたいですか?

ビジョンに共感してくれて、その人が社風に合うかどうかですね。
また、人が好きで、人といることが苦にならないような人たちと働きたいと思っています。

最後に、メッセージをお願いします。

多様性をどう受け入れるのか、またそれらを認めることが重要です。
当然、海外進出すると差別はありますし、私自身も現地で「日本人と話すのは時間が勿体無い」と言われたことがあります。日本人は、最初から「英語が話せない」という態度で話してしまう傾向がありますが、謙虚な姿勢ではなく自信を持って話すことが重要だと思います。
日本の感覚を理解しながらも、日本だけではなく、世界の市場で何をするのか考え、行動することをお勧めします。視野も広がると思うので是非頑張ってください。

「EXest株式会社」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.exest.jp/