代表取締役 田中 大祐
大手美容サロンにて、全社員約1000人の中で売上全店1位を達成。その他都内2店舗を経て独立。
2007年に美容室「七ッ星+」を出店し、2010年株式会社WILQANTを設立。
早速ではありますが、独立した背景を教えていただけますか。
もともと、母親が美容師だったこともあり美容師の仕事が身近にあったことと、手先を使った仕事がとても好きで、高校生の頃から美容師を目指すようになっていました。
都内の美容室に就職し3社程経験しましたが、なかなか均一のサービスを提供できないことにジレンマを感じていました。
やはり、「人がつくった看板ではなく自分のお店を持ちたい」「独立しなければ」という気持ちになり、3社目の時に全店舗1000人程いましたが、全店売上1位を獲ったタイミングで独立を決めました。
ご自身の店舗を持つことで、他サロンにはない取り組みなどはされていますか？
「いらっしゃいませ」を言わない接客をしています。
お客様とお金の関係になりたくありませんので、「こんにちは、こんばんは、お久しぶりです」といった挨拶でお出迎えすること、また「お客様」ではなく「お客さん」という言い方をしています。その方が親しみをもっていただきやすいです。
お渡しするお釣りに関しても、お札の向きを揃えることはもちろん、小銭の向きもすべて表にしてお返ししています。
細かいところまで徹底されているのですね。
はい、若い頃に独立しましたので、締めるところは締めて、そして感謝の気持ちを常に持ち、自然体で、言葉のチョイスにも気を使っています。
また、サラリーマン化してはいけないと思っていますし、人にお客様がつきますので個性を出していった方が良いと思っています。直接お話した時に、ギャップがあった方が魅力的だと思ってもらえますしね。
お客様のことを想い、ご接客されているのですね。
実は「お客様のために」やっている訳ではないんです。私たちスタッフ全員がそれぞれ、真心でしていることです。
「真心を伝えていく」ことをコンセプトにしていますが、私たちが考える「真心」とは、「お客様の美しさと笑顔のためにひたむきに向き合う心」です。そのため、真心としての接客なのです。
カウンセリングも「今日どうしますか？」ではなく、その方の状況や季節を鑑み、お客様からお任せしてもらうことが多いです。
お客様も「どうしますか？」と聞かれても困ると思うんですよね。例えば、自分の歯が痛かった時に、歯医者で「この機械を使って、歯をこのように治療してください」といったやりとりはしないと思いますので、本来の意味でのカウンセリングをしながらも、ヘア以外の相談をのることもあります。
これまでに、苦労されたことはありますか？
2015年の時に、主力メンバーがそろって辞めた時ですね。幹部と私の中でのすれ違いが大きかったと思います。
自分が作り出した環境で、人が辞めて他にいってしまうことは、モチベーションがもっていかれましたね。その時まで経営者が大変だと思ったことはなかったのですが、さすがに当時は自分が悪いと反省しましたし、経営していくことは難しいと思いましたね。
その環境から、どのように乗り越えたのでしょうか？
ミーティングをかなりの数重ねましたね。会社や飲み屋、公園など様々な場所で行いましたし、合宿も開催しました。そこで研修も行い、1年間の反省と目標設定をして、切磋琢磨しながら乗り越えていきましたね。
私自身もスタッフたちに助けられたことはありましたので、自分の給料を下げて、メンバーを幹部に育て、役職とそれに見合う手当をあげました。
また、営業時間を短縮することで早く帰る日を増やし、そこで技術向上の時間にあてました。
お客様からご意見いただくこともありましたが、サービス向上を目指し、スタッフのモチベーション維持を目的に変更する旨を包み隠さず伝え、DMにして直接手渡ししました。
それからは、今より良いサービスの提供ができていますし、売上は毎年過去最高を更新し続けています。
スタッフ様と一緒に乗り越えていったのですね。今後、どのような方と一緒に働いていきたいですか？
頑張り屋さんですね。やる気があれば良いと思いますし、一緒にいて、話して楽しいかそうでないかが重要だと思っています。
私としても、将来のために頑張る人を応援したいと思っていますので。
今後は、どのようなことを目指されていますか？
現在では、美容室とメーカーとして事業を展開していますが、今後はメーカーを主軸として展開していくことを考えています。
美容室の売上はこれ以上に上がり続けていかないと思いますし、老舗店舗としていきたいので、メーカー事業に力を入れていき、現在美容サロンに置いてもらっている商品を、その他の店舗にも拡大していけるよう企画を考えています。
売上としては、来期は2倍を目指しています。商品数や人材も増やして、営業活動を強化していく予定ですので、高い目標ではありますが、今のメンバーであれば実現できると考えています。
そのために、ブランドの認知拡大とPRや営業強化を行い、商品数を増やした分販売していくことと、美容室に関してはより一層質を高めていきたいと考えています。
「株式会社WILQANT」を詳しく知りたい方はこちら
http://wilqant.com/