株式会社ES-ROOTS
代表取締役社長 榎戸 淳一

新卒で船井総合研究所に入社し、様々な経験を積んだ後、「エステティック業界の健全化」に使命感を感じ、自らエステティック業界のコンサルティングを立ち上げ、業界内で多大な実績を残す。
2009年8月同社退職後、オーガニックコスメの魅力に惹かれ、全くの新たなエステティックサロンを追求するため、株式会社ES-ROOTSを設立。
2010年1月に東京都目黒区にオーガニックコスメ&エステサロン「フルーツルーツ」をオープン。

榎戸社長は、もともと独立することを考えていたのでしょうか?

実は、本当は総合商社を目指していたのですが、就職活動時に友人がコンサル業界を受けていましたので、その流れで、私も受け船井総研に入社しました。
そこで、エステティック会社の案件を依頼された際に、エステを受けたことがありませんので、体験に行ったのです。
当時の大手の一部のサロンは、高い契約するまで帰れないという状態で、不愉快に感じましたが売上は右肩上がりの会社が多く、反対に私が体験に行った小さなサロンでは、真摯に向き合ってくれるが、高いチケットが売れず、経営が厳しいという状況を目の当たりにしました。
そこに課題を感じ、この業界を変えたいと思い、エステ業界のコンサルティングを立ち上げました。

そこから、なぜご自身での独立に至ったのでしょうか?

コンサルティングは、もちろん第三者の立場でしたので、主体者でやりたいと思ったのと同時に、自分の中で、理想のサロン像のイメージが湧いてきて、独立を考えました。
船井総研時代に、約1300件のサロンを回りましたが、エステティシャンの手が荒れていたこと。またエステティックサロンに通っている多くのお客様のお肌は、一時的にはキレイになっても、根本的に肌トラブルの解決に至っていないことに課題を感じていました。
一方で、オーガニックに出会い、「肌本来の持つ力を引き出し、結果的に肌トラブルが起こらない肌にする」という考え方に興味を持ちました。
ただ、オーガニックを調べていくと、当時は地味、素朴、使い心地もイマイチで、肌に優しいとはいえ、何か面白くないオーガニックコスメが多かった印象でした。
同時に、ニューヨークに訪れた際に、至るところにオーガニックのショップが立ち並び、当たり前に触れる機会がありました。決して地味で素朴なものではなく、身近で楽しく、華やかで、オシャレ。日本も今後そうなるのではないかと思い、オーガニックを軸としたエステサロンを始めることにしました。

オーガニックにこだわっているとのことですが、貴社ならではの取組や魅力はどのようなところにありますか?

原料も国産であり、製造している工場も国内にこだわっていることです。
顔が見える生産者と農学博士による監修のもと、化学合成物質を使わずに、しっかりと結果の出る化粧品にすること。また、合成着色料や合成香料を一切使わずに、化粧品に色をつけ、香りをつけること。
それらは大変なことではあるのですが、諦めずに試行錯誤を繰り返して、つくっています。

本物のオーガニックにこだわっているということですね。

はい、長野県に工場があるのですが、自らフルーツやハーブを無農薬栽培している農学博士の手によって製造されています。
本物のオーガニックにこだわりたかったので、数十もの工場を周ったのですが、「この成分は何処産ですか?」「これは化学物質ではないですか?」という質問に的確に答えられる工場がなかったのが現状です。
しかし、私たちが依頼している工場は異なり、工場長自ら、化粧品の成分となるハーブを無農薬で栽培し、日本各地から無農薬栽培された植物やフルーツを探し出すというこだわりを持ってものづくりをしている方で、私たちの思いを真摯に受け止めてくれる方と、やっと出会えたのです。

今では全国のサロンや百貨店に展開されているとのことですが、今までの経営の中で、危機などはありましたか?

人材の問題ですね。長年勤めていたスタッフの退職があり、私は男性でしたので現場の仕事はできないですし、教育もうまくいかなったことです。
1年くらい瞑想しましたし、売上も下がりました。新しい人材や外部から店長候補を補充してもうまくいかなかったため、スタッフを育てることが良いと考えましたので、育つことを待ちました。
そこからは、私自身のスキルではなく、スタンスや考え方が変わりましたね。
オーナーである私自身とベクトルが同じ方向でないと、一緒に店舗運営してもうまくいかないと思いますし、どんなにスキルがあったとしても、スタンスや考え方がないと難しいと思っています。

サロンを運営していく上で、「人」が重要となるのですね。
今後は、どのような方と一緒に働いていきたいですか?

理念とビジョンに共感してくれる方ですね。
働き方改革などありますが、弊社もベンチャーですし、アクセルを踏まなければなりませんので、その部分を共有しながら、一緒に走れる方ですね。
また、自分のことばかりではなく、相手のことを考えられる人間性を持っている方ですね。

今後の目標を教えてください。

世界中にフルーツルーツを展開することがビジョンとなりますので、海外進出を強化していきたいと思っています。
国内では、フルーツルーツ本店で、直接お客様のお声を聞きながら、サロンやショップの経営・運営ノウハウを貯めていき、それをお取引先様にお伝えしていきながら、共に栄えていくことを目標としています。
そうすることで、エステ業界以外の一般市場での認知度を上げていき、「オーガニックコスメといったらフルーツルーツ」と言われるようになりたいですね。
そのためには、人員体制を整えることはもちろん、PR強化をするために有名店に卸したり、イベントやメディアに露出をしていきたいと考えています。

最後に、メッセージをいただけますか。

美容業界は付加価値が高い業界だと思っています。
商品が良いことは当たり前になっていますが、そこに関わっている開発者や販売者が大事になってくると思います。
独立と言っても、その人の魅力や価値が大事になってきますので、技術よりも自分磨きや人間性をあげることが重要で、それがあってこそ、つくるものや売るものに価値が出てくると考えています。

「株式会社ES-ROOTS」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.fruitsroots.com/