株式会社Lond
代表取締役 斉藤 信太郎

東京都生まれ。美容学校卒業後、表参道エリアの大手有名サロンを経て、2013年に株式会社Londを創業。専門学校のクラスメイト6人で立ち上げ、現在では銀座を中心に都内に、ヘアサロンとアイラッシュサロンを8店舗展開中。
「Hot pepper beauty AWARD」にて、2年連続で全国1位を獲得。

早速ではありますが、専門学校の同級生6人で共同創業されたと伺いました。

はい、専門学校時代のクラスメイトになりますが、学生時代から一緒にサロン経営することや、当時から「Lond」というサロン名にすることも決めていました。
卒業後はみんな一度いずれかのサロンに就職をしたのですが、その時も独立することを見据え、どの店に入ろうか考えながら就職活動をしていました。
みんな青山・表参道界隈のサロンに就職しましたが、卒業後も定期的にミーティングを重ね、8年間温めた構想や戦略と共に、28歳の時に独立しました。
学生当時から誰もリタイアせずに6人全員で続けてこれたのも、夢を持って、お互いが切磋琢磨しながらやれたからだと思います。

それぞれのサロンでの経験を経て独立されたとのことですが、他社にはない魅力はどのような点にありますか?

すべてにおいて強みがあることが、Londの強みだと思います。
カットやカラー、デザインなど、どれか一つの強みがなければならないと言われることもありますが、すべてが魅力であることが強みだと思っています。
美容室は箱物ビジネスとなりますので、出店時の仕組みが勝負だと考えていますし、だからこそ、当たり前のことを徹底しています。
駅からの近さや料金の安さ、営業時間の長さ、無休、おしゃれなビルであること等、お客様が比較してどちらかを選ぶ際に、良いと思う方を選択し続けサロンづくりをしています。

それが、お客様の評価にもつながっているのですね。

そうだと思います。ただ、すべてのお客様から良い評価をいただけるとは思っていません。
美的センスは人それぞれですし、食べ物が美味しいという評価を得るよりも難しいと思っています。
なぜなら、飲食店は人に勧めたその方も美味しかったというケースは多いかもしれませんが、美容室を勧めたとしても、人の髪質や毛量も異なりますし、正解はその人にしかないので全員を満足させることは難しいと思っています。
そのため、100%ではなく、満足度をあげることにこだわっていますね。

創業から5年が経ち、現在までに苦労した時期などはありましたか?

特段危機というものはないですし、問題と思っていないことが多いかもしれません。
その理由として大きいのは、私自身がポジティブであることですね。
クレームなどももちろんありますが、良いことがあった上で成り立つことですし、会社の成長のしるしだと考えています。
また私自身、事業計画を立てることが得意で、すべて想定内に動いています。
頑張らないとここまでいかない、という絶妙な設定や計画を立てることが得意で、そのために頑張ってもらっていますし、そのことによって成功体験が生まれています。
だから、出店や人員計画も含めて現実的で、プラスに働くことが多いですね。

今後は、どのようなことを目指していますか?

ヘア業界の中で、年商第1位を目指したいと思っています。なぜなら、「従業員第一主義」ですので、資本力と健全経営が必要となると考えているからです。
健全経営とは、お客様にたくさん利用してもらうこと、またそのお客様が満足してリターンしていただければ、従業員も必要となります。そのためには、採用して従業員が辞めずに成長すること、そうなると新しいハコが必要となり出店する、というその繰り返しですね。
年商第1位はゴールではなく目的であり、日本一の健全経営をしていたら必然的にそうなると思っています。
今年でいうと、更に4店舗出店する予定で、従業員数も100名まで増やしていきます。海外でも、年内にインドネシアで1店舗出店する予定です。

目標実現のために、現在課題となっていることはありますか?

5年前の設立時に10店舗100人計画を立てており、今年到達する予定でいますので順調ではありますが、今後店舗が増えた際に起こりうることは、幹部の成長だと思っています。従業員の成長が追いつかないまま出店などもしていますので。
また、私自身の成長ですね。例えばこれが従業員500名になった時でも経営を担えるかどうかということと、会社の成長スピードが自分の成長スピードを超えた時のことを考え、日々勉強しながら、自分に厳しく他人に甘く、精進しています。

それらの実現のために、今後どのような組織をつくっていきたいですか?

成功している企業において、組織やビジョン、リーダーが「明るい」ということを聞くことがありますが、3年、5年後にLondという組織で夢のあることを描けるかどうかだと思いっています。
Londは創業当初から離職率0ですが、それは明るい空気をつくり続けているからだと考えています。今までに、辞めたいと言ってきた人もいますが、それは他のお店に行きたいとかではなく、何がしたい訳でもなく、美容師を辞めたいということでした。
ただ、やりたい職や向いている仕事でもなく、美容師が向いていないから辞めるのであれば、「必要と思われる会社にいた方が、幸せなのでは?」「やりたいことができるまで、もしくはあなたを本当に必要と思ってくれる会社ができるまでいたらどうか?」と伝えました。
これも、やはり従業員第一主義で考えているところがあるからです。

「従業員第一主義」で考えている背景は、どのような点にありますか?

スタッフが幸せにならないと、お客様も幸せにならないと思っています。
飲食店は食べ物が商品となりますが、美容室は美容師が商品となります。ヘアスタイルではありません。車屋が商品である車を磨くように、美容師を磨くことは重要だと考えているからです。
美容室は教育産業ですので、人がすべてだと思っています。その根底を忘れてしまってはいけないですし、会社が儲けようと思ったら存続して経営していくことは難しいと思っています。
幸せではない美容師がお客様のことを幸せにはできないと思いますし、それが大前提であるからこそ、お客様から愛されるサロンになっているのだと思います。

「株式会社Lond」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.lond.jp/