株式会社insence
CEO 岩渕 真悟

美容学校卒業後、勤務先サロンの店長職を経て1999年7月に独立。二子玉川に店舗をOPEN。
その後、CFOの貝嶋直樹とグループ経営を始め2004年8月に株式会社insenceを設立。現在は東急田園都市線沿線とみなとみらい線沿線に店舗展開。
自身では長年のキャリアを活かし、オリジナルのカットマニュアルを完成し、社内だけではなく外部のカットセミナー講師としても活躍。

早速ではありますが、美容師の道を目指そうと思ったきっかけを教えて下さい。

学生時代に、自分自身も相手も満足させることができるものは何か考えており、それがオシャレだと思っていたんですよね。人が喜んでいただける素晴らしさに魅了されたことがきっかけです。
「髪」は、朝目覚めて準備をするスタートの時間において、誰もが切り離せないことだと思っていますし、その人の生活の部分に入り、携われることだと思ったのです。
宝石や身につけるものであれば、必要な日とそうでない日があると思いますが、「髪」はその人がステージに立つ準備の段階で関われる、素敵な仕事だと思いました。

それから美容師として勤め、独立に至るのですね。

はい。修行していたところで今の代表の貝嶋と出会ったのですが、その頃から各々で独立して、最終的に統合しようという話をしていました。
この業界ではライバルを怪訝し、同じ場所で張り合うことはありえないという世界において、私も貝嶋もそういった考えがなく、ライバルだからこそ助け合いができると思っていました。また、美容室はヘアスタイルや技術を売っている訳ではなく、美容師という人を売っていく仕事であり、人の集合体が絶対不可欠で、統合すべきだと考えていました。
だから、良い物件を見つけた時には貝嶋にも声をかけ、頭脳派の貝嶋とメンタリティ派の私で運営を始めました。

経営をしていて、苦労されたことなどありますか?

それぞれのタイミングで危機や厳しかったことはありますよ。
今でも昔の売上帳票などが紙で残っているのを見ると、今の10分の1しかなかったり、通帳にも0の時があったりしましたが、当時は自分で生きているという実感と覚悟があったのだと思います。
お客様とつながっていた実績だけで仲間が削れることもなかったのですが、組織が大きくなってからは、お客様と従業員がいて、その人たちに給料を払うだけではついてこないということを知り、いつしか気づかされるようになりました。
お客様が来る喜びと愛情、スタッフが働いてくれる喜びと愛情があったからこそ、覚悟を持ち、経営し続けているのだと思います。

今では多くのサロンがある中で、貴社を選んでいただくために取り組んでいることはありますか?

時代が、メニューや料金を訴求する集客ツールがたくさん増えた中で、美容師という人を提供しにくくなったと考えています。
人の技術力を売っていくことがマーケットへの仕掛けだと思っていますので、スタッフには、自分自身と空間というサロンを心地よく提供していく、ということを教育しています。
自分がお客様に提供することで、お客様に喜んでもらい、自分自身も最大の喜びを得ることができる、素晴らしいお仕事であることを伝えています。
スタッフがそれらの喜びを提供しているという認識と、お客様からその喜びをいただく準備をすることが重要だと考えています。そうすることで、自然と距離感がつくられ、ハンドメイドのような「ぬくもり」をつくり、リピートにつながっていくのだと思います。
これらのことは成果に出にくいものだと思いますが、それができた時には一流だと思っています。

従業員の方々のことも大切にされていると思いますが、insenceに必要とするのはどのような方でしょうか?

お客様や社会に対して、同じベクトルを向けることができる人ですね。
必死になって習得した技術でお客様に提供し、お金をいただくこと。それらのことを、きちんと理解してもらいたいと思っています。
チームか個人戦の場合、当社はチームでどこまで目指すか、頑張っていきたいかと思えるかどうか。トップだろうが、二番手だろうが、九番バッターであろうが役割はありますので、いかにみんなで協力しながらやることが重要だと考えています。
壊し合いとなっている世の中が現実ではありますが、「やりたい」ということを許される環境だと思っていますので、価値あることを提供し、1つのチームとして最大の価値を磨いていけるような集団をつくっていきたいと思っています。

今後、目指していることなどはありますか?

今後起こる少子化や働き手の人口が減少し、規模が縮小していく会社が増えていく中で、いかに強みを特化していくことが必要だと考えています。日本で同じことが起こり続けるのであれば、海外に目を向ける必要があると考えています。
そのため、メイドインジャパンを世界に展開していくことは強く考えています。現在、「insence」というブランドで、シャンプーやトリートメントなどオリジナルのヘアケア商品を開発し、展開しています。これらの商品を海外にブランディングしていくことも今後強化していきたいです。

これらのことを実現するために、課題としていることなどはありますか?

核となるチームメンバーのベクトルが同じ方向を向いていることですね。
彼らと一緒に美容戦略を立て、共有することで、新たなサービスや商品をつくっていきたいと思っています。
そのためには、日本だけでなく海外の市場を捉えていくことを、より一層力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

「株式会社insence」を詳しく知りたい方はこちら
http://insence.jp/