代表取締役社長 森 俊雅
1957年北海道生まれ。上智大学外国語学部卒業後、日本航空に入社。海外駐在・航空機調達・経理・ 経営企画など、さまざまな領域のマネジメント・ ポジションを経験。
1993年、アメリカ・ハーバード大学のビジネスス クールでMBA(経営学修士号)を取得。社会人向けMBA講座で講師を務めた際、株式会社ユニックスの当時のトップ、水島達也氏と出会う。付き合いを重ねるうちに、社長就任を要請される。
2010年に日本航空を退職後、10年間の水島氏からのコールに応える形で、ユニックスの代表取締役社長に就任。
森社長は、異業種からユニックスの代表取締役に就任されたと伺いました。
はい、水島と、二十数年前に私がサービス・マネジメントの講師を務めている時に出会いました。私が伝えているサービス・マネジメントの理論に共鳴してくれたこと、ユニックスを上場させたいという思いを実現したいということで、十年以上前から経営を任せたいと声を掛けてもらっていました。
どのような想いで、就任を決められたのでしょうか?
他社からもお声かけは頂いていたものの、経営の自由度や独立性という観点、美容業を家業から産業にしたいという水島の思いに共鳴したこと、アプローチの強さなどから就任を決断しました。
森社長が参画されてから、取り組まれたことはありますか?
生産性の向上とサービス・レベルの向上、お客様と社員が過ごしやすい空間づくり等について、即取り組みました。新規出店の際は、社員の休憩スペースを広く取ったり、納品・検品用にスペースを設けたりすることで、効率化を図ると同時に、セット面間隔等を広げ、お客様の快適性を追求して来ました。同時に、トヨタ生産方式を自社用にアレンジして取り入れています。例えば、在庫に関しては今まで発注点が決まっておらず、社員が感覚で発注していたため、在庫過多の状態でした。そこで、実績を分析した上で発注点を決め在庫の削減を実施しました。すべては、数字となり生産性にあらわれます。生産性が高ければ新規出店やお給料アップの余力が出ますので、そのために取り組み始めました。
また、私自身も日本航空在籍時は、空港や機内でという現場で接客していましたし、接客接遇の基本を訓練されて来ましたので、自ら指導したりもしました。
それらのことを徹底されてきたからこそ、お客様の満足につながっているのですね。
そうですね。お客様にとっての満足を考えた時に、技術の差というのはそこまでの大差ではないかもしれませんので、快適性を追求し続けています。実際にお客様からも、「居心地が良い」とか「サービスが良い」というお声を頂いております。
その中でも、今までご経営されてきて、危機などはありましたか?
私の就任当初が一番大変な時期だったかもしれません。資金繰りの面や、従業員が何百人もいるにも関わらず、過去の事例がどのようなプロセスを経て決められたのかも見えませんでした。上場を目指すのであれば、公明正大に組織として対応出来るようにならなければなりません。特に、過去の経理まわりのところは精査してきました。
今現在では、多店舗展開されていらっしゃると思いますが、今後は、どのようなことを目指しているのでしょうか?
「社員がリタイアするまで安心して働ける会社」をつくることですね。
美容の仕事は自身の手が職になりますが、例えば手が動かなくなった時に働ける会社をつくっていきたいと思っています。
そのために、ゼロサムではなく、プラスサムの視点で考え、店舗開発や事務の仕事など、一人が昇進しても、新たなポストをつくり、他の社員にも昇進のチャンスがある組織をつくっていきたいと考えています。
また、海外で働きたいという社員もいますので、海外展開は視野にいれています。比較的我々日本人と価値観が似ている場所で、その土地の人々の育成にも投資していきたいと思っています。
それらを実現するために、現状取り組んでいることはありますか?
課題は、全てにおいて「徹底」することですね。サービス・レベルの高い人とそうでない人の差が大きくなると、サービス・レベルの低い社員が対応した時に、お客様の期待値を超えられません。
「微差は大差」とよく言うのですが、例えば雑誌に毛髪が挟まらないようにするためにはどうするべきか?など、ほんの些細な課題でさえも、徹底して対策を考えていきたいと思っています。
また、美容を通じたより良いライフスタイルの提案という事で、新規オリジナル商品の開発も考えていますが、既存事業との結びつき方なども考えながら行っています。
それらのことを、どのような方と一緒に実現していきたいですか?
裏表なく働く人と一緒にやって行きたいと思っています。人間には、数パーセントの裏はあるかもしれませんが、仕事に関しては裏表がないように頑張る人と一緒に働きたいですね。あとは、向上心があり自立している人です。美容業界の方々は、比較的容易に自己満足しがちの人が多いような気がしますが、そこで終わってほしくないと思っています。何かの領域でトップになっても、そこで満足してしまうのではなく、あらゆる領域から呼ばれる人になって欲しいと願っています。つまり、自己評価に満足するのではなく、お客様や周囲の人達から頼りにされる人、呼ばれる人、思い出される人になって貰いたいと願っています。
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