有限会社エスタシオ
代表取締役 舟木 なみ

リクルート社、人事・採用コンサルティング会社を経て、2006年に有限会社エスタシオの代表取締役に就任。

舟木社長は、お父様の会社を継承されたと伺いました。

はい、私はもともとリクルート社で営業をしていたのですが3年が経った頃に、美容院と美容卸の会社を経営していた父から「戻ってこい」と言われ、父の会社をお手伝い感覚で総務周りのサポートをしていました。
ただ、当時18店舗展開していた会社でしたが、人事制度が整っていないことや、ノンマネジメントでお客様のお金や商品がなくなるなど、私自身と美容業界の常識がとてもかけ離れたことから、精神的にストレスがたまり、30代の頃に一度離れることにしました。
その後、リクルート時代の上司がつくった人事採用コンサルティング会社に参画したのですが、その5年後に父の会社が赤字になり債務超過で傾いてしまったのです。そこで、資金面の支援や会社整理を行った後、私が営業権を引き継ぎ立て直しを行いました。

以前から、独立などは考えていたのでしょうか?

いえ、私自身は自由にやりたいと思っていましたので、人に遣われたり、人を育てるというよりも、一人で仕事をする方があっているなと考えていました。
父の会社を手伝っていた時には、会社でありながらそうではない、今までいた業界とは違い生産性も低かったので、正直に美容業界へのイメージは良くありませんでした。
ただ、父は私が生まれた年にディーラーを始めて、そのおかげでご飯も食べることができていましたので恩返しと思い、使命感を持って引き継いでいきたいと思うようになりました。

引き継いでから、ご経営において苦労されることはありましたか?

そうですね。美容院の採用は「人」が重要となってきますが、経営者が美容師のケースが多く、オーナーの技術を習得したいという方が多く集まってくることはあるのですが、当社はそれがなく、経営者に対する不信感を持っているスタッフが多かったので、その人たちのロイヤリティを高めていくことには、苦労しました。
私も自己啓発セミナーなどに参加し「言葉にすれば叶う」ということを学び、社内に展開していきました。具体的には、「ファミリー」という言葉を使い始めていったのです。「ファミリー」だったらどうするか考え、一緒にご飯を食べるために各店舗に炊飯器を置き、お米も支給し、食べ放題にしました。
始めてから6ヶ月くらいで幹部に、2年程で現場社員にまで浸透し、本当の家族のように社員を「私の子供」のように、社員も私自身を「お母さん」と言ってくれるようになりました。
社員をまとめるためにつくった言葉が私自身のためにもなりましたね。

社員のことを大切に考えられているのですね。
お客様に喜んでいただくために、取り組んでいることはありますか?

社員を「家族」と思うように、お客様に対しては「親友」と思うようにしました。
最初は商品を購入していただいたく比率が低かったのですが、それには社員がお客様を神様と思っていたことからでした。
社員に聞いてみると、「友達には提案できるが、お客様には怖くて提案できない」という声があったのです。それであれば、お客様を親友だと思い、提案してみることを指導してみると、徐々にご提案することができてきました。

提供しているメニューにもこだわりを持っているのでしょうか?

そうですね。「フルビューティー」として、「キレイ」のためのメニューはすべて取り揃えています。
お客様の髪の伸び率や単価が限られている中で、美容にかけるお金はあるのに、美容室は髪のケアしか対応しないのはなぜかと思っていましたので、同時進行で施術ができる、ネイルやマッサージなどメニューを増やしました。
「マインドリラクゼーション」では、人間はストレスが顔に出ますし、心を癒す必要があると思っています。そのため、シャンプーの工夫や親友としての笑顔の接客、マッサージ系のメニューを揃えています。
また、「ケア・ヘルス」では、まつ毛を伸ばすためのトリートメントメニューや、傷めないためのネイルケアなど、クリエイティブメニュー以外を取り入れています。美容院は髪の毛を傷めてしまうところでもありますので、お客様を笑顔に元気にするために提供しています。

今後、目指していることなどはありますでしょうか?

「人間力」をあげることをコンセプトにしています。技術力向上が美容師の基礎となりますが、「人間性」を高めることで、人を愛し愛される力をたくさんつけてもらいたいと思っています。
新人研修も1ヶ月の期間をかけ、「壁がある場合はどうするか」や「ピンチをチャンスにどう変えるか」など、オリジナルの研修を実施しています。
また今後高齢化になる中で、人は何が目的になるかというと、健康で美しくなることだと思っています。美容室の中で、インナービューティーの展開をすることで、一般の方が安心して、健康についてもお任せできるような事業を展開したいと思っています。
それらのことを実現していくために常識にとらわれず、イノベーション的な発想ができる方と一緒に働いていきたいですね。

最後に、一言いただけますか

美容の仕事は、その人の人生を変えられる仕事だと思っています。
心と表情はつながっていると思いますし、自分を承認できるきっかけになると考えていますので、その人の世界を変えていけるようなものだと思っています。
美容師は、その人の重要なタイミングでイベントなどにたずさわれ、その人の人生に寄り添っていけるようなものだと思いますので、“カッコイイ”美容師より“あたたかい”美容師を育てていきたいです。

「有限会社エスタシオ」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.estacio.jp/