株式会社旅コレクション
代表取締役社長 荒井 佳代子

旅を通して感動した体験を形にしたいという想いから、1984年に株式会社旅コレクションを設立。

荒井社長は、どのようなきっかけで旅行業にたずさわることになったのでしょうか?

一番のきっかけは高校の卒業旅行で、アメリカへ行ったことです。
もともと好奇心が旺盛で、きれいな街並みを見たり大自然に触れたりすることが好きだったのですが、その旅行で改めて旅に魅了され、旅行の世界で生きていきたいと思うようになりました。

早速ではありますが、起業のきっかけを教えてください。

はい、わたしの家庭はしつけが厳しかったのですが、親にしかれたレールの上を歩んでいくことには違和感をもっていました。当時、女性は大学を卒業後、家事手伝い、企業に勤めてもすぐに結婚して仕事を辞める人が多かったのですが、私の場合自分の道は自分で切り拓きたいと考え、起業を選びました。

起業することに不安はなかったのでしょうか?

若かったからでしょうか。不安よりも夢がありましたね。
女性で起業をする人は今よりも少なかったので、なぜそんなに頑張って仕事をするのかと周りの人たちには不思議がられましたが、私はとにかく旅行が好きだったので仕事は趣味の延長と捉えていましたし、社会に出たら親に迷惑を掛けず自立したいという想いの方が強かったです。

起業してから、危機などはありましたか?

現在、旅行業界はITの台頭によりビジネスモデルの変革を迫られていると思います。そのような観点から今が一番危機を感じているかもしれません。
これまでもバブル崩壊後やリーマンショック後に、経営的な危機はありました。それらは景気の回復とともに乗り越えてきましたが、今は旅行会社の存在価値そのものが問われています。
デジタル化が進み、旅行会社を介して旅行をする人の数は減少しています。そのため、オンラインで予約できる旅とは違った、旅行会社だからできる独自の価値をもたないといけないと考えています。
そこで現在は、『職場旅行.com』という社員旅行に特化したサービスに注力をしています。

どのような特徴をもったサービスなのでしょうか?

お客様が何のために社員旅行を企画するかという目的や、その会社の理念に合わせた価値を提供しています。宿泊場所や交通機関など旅の行程をたてることはもちろん、どのタイミングで盛り上げる時間をつくり、どんな企画で一体感をつくっていくかなど、様々なサポートをさせていただいています。
どの会社も以前よりも離職率が高く、社員の会社に対する帰属意識が弱まっている中で、社員同士のコミュニケーションやチームビルディングを課題としていらっしゃる企業様も増えています。それらの課題に対し、社員旅行を通じて貢献していきたいと考えています。
社員旅行は一時期に比べると少なくなっていますが、毎日オフィスで顔を合わせているよりも一度旅行にいったほうが互いの距離が縮まることがあるように、共通体験をもつことが社内の活性化に繋がるという社員旅行の価値を、旅行会社という立場から伝えていきたいです。

そのような考えに至ったきっかけはあったのですか?

リーマンショック後に大学院で観光の勉強をしていた時に、いくつかの会社を訪問する中で、成長している会社は社内のコミュニケーションを重視し、福利厚生に力を入れて、社員旅行を積極的に取り入れていました。その背景には、社内の活性化や離職率の防止にも役立っていました。
一方で社員旅行を任された幹事の方は、積み立てたお金と社員の時間を使うという大きなプレッシャーを抱えていらっしゃいます。だからこそ、旅行会社がお役に立てると考え、職場旅行に特化したサービスを始めようと思ったのです。

今後はどのようなことを目指されていますか?

職場旅行でのオンリーワンを目指し、「旅を通じてこの上ない感動をつくる」というビジョンに繋げていきたいです。そのために今は、職場旅行を共につくってくれる協力会社を日本全国に増やしていきたいと考えています。
地方の旅行会社は地元の方しか知らない穴場スポットやグルメなどの情報をたくさんもっています。そういった会社と協力することによって、よりお客様の満足度の高い商品を開発するとともに、地域の活性化にも貢献していきたいです。

それらを目指す上で、どういった方と一緒に働いていきたいですか?

旅行が好きで、探求心がある人です。旅行をただ商品として扱うのではなく、お客様のお役に立ちたいという想いをもち、深く調べ、より喜んでいただける方法を追及してくださる方と働きたいです。そういったきめ細やかなサービスが、お客様から支持をいただくことに繋がると考えています。

最後にメッセージをお願いします。

現在旅行業界は大きく変化しています。その中で、我々は独自の価値を提供し続けられるかを考える上で、モノではなくコトを売るということを意識しています。
オンラインでできることが増えているので、ただ旅行を商品として販売するのではなく、人間の手と発想でしか提供できないことを、お客様の旅行という経験にどのようなプラスのエッセンスを加えることができるのかを追求し続けることが、旅行会社の存在価値ではないかと考えています。

「株式会社旅コレクション」を詳しく知りたい方はこちら
http://tabi-colle.jp/