代表取締役 CEO 堀江 健太郎
日本IBMでの経営コンサルタントを経て、退職後、海外旅行者のホストを担う。
インターネットを使って旅行体験をより良くする事業を立ち上げを考え、2013年に株式会社ワンダーラストを設立。
堀江社長が、設立に至ったきっかけを教えていただけますか。
大きなきっかけは、インドネシアのジャカルタに旅をした時のことでした。バックパックが好きで、当時流行っていた「カウチサーフィン」というサービスを使って現地の人の家に泊めてもらい、一緒に生活をしていました。
この時、自分の中で海外旅行の概念が大きく変わりました。
これまでは、スポーツの試合を観客席からみている時のように「外から来た人」のまま旅をしていたのですが、現地の人と生活をすることで、試合のフィールドに立っているような「中にいる」視点でその国を見ることができたんです。それと同時に、海外に対する見方が変わり、旅に対する概念が変わったことで、外国人に対する偏見がなくなっていました。
もともと、父親の影響で外国人に対する抵抗が強かったこともあり、幼少期から人種差別に対する苦手意識がありました。ただ、自分が体験したような旅をスタンダード化することで、そういった問題を解決できるのでは、と問題意識とソリューションが繋がった瞬間でした。
起業というのは大きな決断だったと思いますが、迷いはなかったのでしょうか?
そうですね。帰国後に、私自身も外国人観光客を家に泊めるようになり、お金がなくても自由に旅をしている人たちとたくさん出会う中で、「人生、自分の好きに生きなきゃ損だな」と思うようになりました。そのことが決断に繋がりましたね。
起業にこだわりがあった訳ではなく、偏見をなくしたいという想いが強かったので、国際交流イベントなどに参加する偏見の少ない日本人だけではなく、外国人に抵抗のある人にも影響を与えたいと思い、それをビジネスでやる必要があると考えました。
起業されてからこれまでに、一番苦労されたことはどのような時でしたか?
サービスのシステム開発の遅れが原因で、資金調達が上手くいかなかったり、経営方針を転換したりする中で、二度程、社員に辞めてもらわなければならなかったことがありました。
ユーザーを裏切りたくないという想いが強く、プロダクトを創業期に描いていた形に近づけるために、赤字を積み重ねながら開発を進めていたことが、経営を難しくしていました。
現在では、別のサービス展開をはかったことで単月黒字になっていますし、今後は人材を増やしていくことを考えています。
そのサービスは、どのような点を差別化としているのでしょうか?
現在運営している『Compathy』は、「旅行の計画が立てられること」が最大のユニークネスになっています。旅の情報を調べたり、予約するためのサービスはたくさんありますが、「計画をする」というフェーズにおいて提供しているサービスはあまりありません。
一時期、アメリカで同様のサービスが増えたことはあったのですが、どれもうまくいかず無くなっていったそうです。私はその理由を、「旅行の計画を立てるためのサービス」を探す人がそもそも少なく、サービスが認知されなかったことだと考えました。
そこで当社では、「旅行記」のサイトを最初に立ち上げることで、ユーザーが自然流入すると考えたのです。
どのようなサイトなのでしょうか?
旅行記については、臨場感を最も大切にしています。
ユーザーの方が撮影した写真を投稿することで、その位置情報をタグ付けでき、撮影された場所を地図上にプロットすることで、その人がたどってきたルートを追うことができるなど、旅のライブ感が最も伝わるような工夫をしています。
その他にも、海外に特化している背景としては、海外の方とつながるプラットフォームにしていきたいと考えておりますので、他言語化することで全世界をターゲットとしていきたいと思っています。
今後、どのようなことを目指されていますか?
海外旅行の言葉の定義を変え、そのプラットフォームをつくっていきたいです。
これまでの一般的な海外旅行は、「主要な観光地を周り、現地のグルメを食べて、お土産を買う」というようなことが主流だったと思うのですが、それを「海外現地に友人をつくり、その国のこともっと理解する」という世界にしていきたいです。
日本はパスポート取得率が約24%という現状もありますが、海外旅行の定義を変えることで海外に行きたいと思う人が増えるのではないかと考えています。
現在のサービスユーザーは、もともと海外旅行に興味のある人が多いですが、これからはSNSなども活用し、海外に興味がない人たちへもアプローチしていきたいですね。
そのためのプロダクトづくりを進めて、2021年の上場を目指していきたいです。
それらを実現するために、今後どのような方と一緒に働きたいですか?
私たちは、「旅を通じて、心の国境なくす」をミッションとして掲げていますので、それらのことを理解してくれる人と一緒に働きたいです。海外旅行に行ったことがあり、日本の常識に捉われずに私たちの目指す姿に共感してくれる人がいいですね。
旅行という体験は単なるレジャーではなく、人の価値観を変える程の可能性をもっていると考えています。私たちはこれまで粘り強く1つのサービスにこだわり続けてきたからこそ、今は財政基盤が安定して一番エキサイティングな段階にきていますので、ミッションに意義を感じる人と一緒に戦える仲間を増やしていきたいです。
「株式会社ワンダーラスト」を詳しく知りたい方はこちら
http://www.wanderlust.co.jp/