株式会社ワンダーテーブル
代表取締役社長 秋元 巳智雄

埼玉県草加市生まれ。学生時代に、レストランやバー、カフェなどでアルバイトを経験。大学生時代には、店舗マネージャーやスーパーバイザーを経験。
「食と商売」に魅力を感じ、1996年に「旧 富士汽船」に入社。2000年に「ワンダーテーブル」に社名変更。
その後、取締役を経験後、2012年に代表取締役社長に就任。

秋元社長は、もともと「飲食」との関わりが強かったのですね。

そうですね。もともと、「食」というものには関心がありましたね。古い家の次男だったので、幼い頃から家を出て行く身だと言われていたし、周りの友人が家に遊びに集まってくる程の人気者だったので、将来は客商売をするんだろうなと、なんとなく思っていましたね(笑)。
大学に入り、「プロント」でアルバイトを始めたのですが、その時に「食と商売」は自分の中でピンときていましたね。
飲食店だと、アルバイトでもお客様と接することができますし、商売している感覚を持てたことは、働く醍醐味を感じられて面白いな、と思っていました。
その頃から、自分には飲食業が天職だと思い始めましたね。

昔からの夢を実現されたのですね。

そうですね。飲食業が天職だと思い始めてからは、飲食業で生きていこうと思っていましたし、20代の頃には、仲間と一緒にお店を持とうと思っていて、実際に、3店舗のお店を開業しました。
しかし、その当時の実力では、数店舗の飲食店のオーナーはできても、それ以上の成長はできないと感じていましたので、お店は精算し、前職も退職し、自分の能力を最大限に活かすためにも、21年前に転職しました。
今の会社はもともと「富士汽船」という海運業をやっていたのですが、現会長の林が中心となって、飲食業に転換するタイミングで、私が入って、第二創業として2人が中心となって事業改革を進めて参りました。

この会社に入る、決め手は何だったのでしょうか?

実は、前職の研修・企画コンサル提案を行っていた時のクライアントだったんです。当社の店舗研修をしたり、カジュアルイタリアンの多店舗展開ブランドの企画やデザイン提案を行ったりと。
ただ、一番の決め手は、会社のポテンシャルと魅力的な人がいるという点で決断しましたね。この人と一緒にやったら面白いのではないかと、素直に感じたことです。
初めは、3年くらいやって大きな仕事を経験した後、また新しい会社を作ろうと思っていましたが、先に他の主力メンバーが辞めていったので、その後は林と2人3脚で推進していきましたね。

現在、たくさんのブランド・店舗を展開されていると思いますが、どんなところにこだわりを持っていますか?

ブランドと空間にはこだわっていますね。空間はコストと労力をかけて創りますが、どんなに良い空間でも、ブランドが良くないと集客できないことが多いと思っています。
現在日本には、約66万の外食店舗がある中で、他の会社がやるようなことはやらない、ということは前提にしています。
居酒屋や規模の小さいお店は誰でもできますし、一時的に売上があがっても安定した売上を続けるのは難しいので、ブランドの企画と育てることには注力していますね。
特に、高い専門性(high specialty)、商品とサービスのクオリティの高さ(high quality)、ユニークな体験(unique experience)にはこだわっています。

海外の店舗に関しては、いかがですか?

海外も同様で、高い専門性は重要だと思っています。「何でも屋」はやらずに、“しゃぶしゃぶ・すき焼き”や“天丼”など業態は明確にしています。
あとは、あえて日本人を駐在させないビジネスモデルにしています。現地スタッフであっても、日本人同様のお迎えの仕方やメニューの説明などの接客はきちんと対応していただけるよう、教育やマニュアル整備などは徹底しています。ふだんの営業は現地のスタッフにお任せをし、海外事業部の担当者に、定期的に現地に行って指導するスタイルをとっています。

教育にも力を入れているとのことですが、今後どのような方と一緒に働きたいですか?

当社は、飲食業の知識や経験だけで採用するのではなく、人間性を重視しています。具体的にはホスピタリティの種を持っている人ですね。それはどのようなことかと言うと、「カシコイ」人です。カシコイは頭の良さではなく、「カ(感謝)シ(親切)コ(好奇心)イ(飲食が好き)」という意味です。
いかに、自社の人材にマッチするかどうかが大事になってくると思いますので、「カシコイ」ポイントを採用では見極めるようにしています。
弊社で雇用している外国の方もそうですね。あとは、企業文化に合うかどうかも重要です。特に外国の方のほうが、表情や言動が豊かなところがありますので。分かりやすいところはありますね。

最後に、次の一手を教えて下さい。

今後、インバウンドが増え、より一層外国人客が大幅に増えると考えています。そんな中で、ワンダーテーブルでは、日本に来て下さる外国の方々を、きちんとおもてなしできる会社を目指しています。
また、海外展開に関しては、和の業態が中心になっていますが、日本の価値観を維持しながらも、新しい業態も展開していきたいと考えています。
そのため、事業展開としては、2020年に国内外合わせて10カ国・150店舗を超える店舗数を目標にしていますし、世界で何百万人に愛される会社にしたいですね。

「株式会社ワンダーテーブル」を詳しく知りたい方はこちら
http://www.wondertable.com/