代表取締役 横川 毅
1975年東京都生まれ。父は、「すかいらーく」の創設者の一人である。 高校卒業後、4年間長野の白馬村でスキー選手として活動し、東京に戻る。
ホテル関連の専門学校を卒業し、北海道のリゾートホテルで勤務。 その後、飲食店での店長を経験後、「NINJA」に2002年より経営参画し、2010年より代表取締役に就任。
横川社長は、もともと独立することは考えていたのでしょうか?
独立をすることは、考えていなかったですね。
「ないものをつくる」ことがただ単に好きで、それを実現するための手段として会社が必要でしたので、独立しました。独立することに目的をおくと失敗すると思っていましたしね。
実際に、「NINJA AKASAKA」をつくるために会社を創りました。
なぜ、「NINJA」というテーマのレストランを考えたのでしょうか?
当時、日本には本格的なテーマレストランがなかったんですよね。
東京を中心として、食事をする場としての「外食」に飽きてきた時代で、居酒屋やレストラン、イタ飯、フレンチなど分りやすいカテゴライズしかされていない時代に、もう少し奇抜的な形として、テーマレストランが出始めた時です。
「食事をする」ための外食ではなく、ある一つのテーマに沿った、テーマパークのように気軽にいけるレストランがあったら面白い、忍者に特化するのは他にはない面白さなのではないかと考えたんです。
「忍者」にこだわったポイントは、どのようなところですか?
当時も今もそうですが、忍者だけがワールドワイドになっていました。「戦国武将」といった名前を売っていた訳でもなく、定義があいまいだったんですよね。
忍者映画やアニメなど、日本だけではなく、様々な人が忍者という役を演じていましたので、いろんな発想ができますし、自分たちの「忍者」を自由につくりあげることができると考えました。忍者という定義やイメージがあいまいなだけに、可能性がたくさん詰まっていると思ったんです。
また、お客様が来て楽しいと思うことは、独自性がないといけないと思いますし、ゲートをくぐる時と出る時のワクワク感を飲食店で作れたらいいな、と思ったんです。
なぜ、そのワクワク感をつくり、提供していきたいと思ったのでしょうか?
それは、私自身の子供の頃のワクワクした外食体験から、そう考えるようになりました。
我々の上の世代の頃は、ファミリーレストランは業界トップの存在だったんです。今では、居酒屋やファミリーレストランチェーンが飽和状態となり、外食は産業と飲食店の2極化となりました。
昔は、家庭にナイフもフォークもワイングラスもなかったですし、ファミリーレストランが展開していくことで、それらが家庭にあることが一般的になりました。
月に1回、家族で行くファミリーレストランでの外食がとても楽しみでしたし、行ったその日に次いつ来るか、という話までする程でした(笑)。
ご自身の体験から、お客様にもそのワクワク感を提供しているのですね。
横川社長にとって、「外食」とはどのような存在ですか?
「外食」は、一緒に食事をする誰かがいることもありますし、美味しいものを食べに行くだけではないと思っています。外食をするにも、テーマパークのように「次は誰々と行きたい」というワクワク感を提供できると思っています。
テーマパークは、その場の内装や外装、音楽など一緒に行く人と楽しい時間を共有し、時間的満足を作れる場所だと考えています。
横川社長の店舗では、どのようなこだわりを持って展開していますか?
「お客様が過ごす時間を提案する」ことにこだわっています。
ただ単に料理を提案している訳ではなく、「時間」が商品であり、その時間に飲食やサービスをのせて「過ごし方」の提案をしています。
飲食店のサービスは、結婚式みたいな人生に一度の大きなイベントを提供している訳ではなく、毎日様変わりするお客様を日々ご接客させていただいておりますので、そのお客様ひとりひとりが使って下さる時間を大切にしています。
長打を狙うより、常にヒットを狙っている感じですかね(笑)。奇跡のサービスが売れている会社は、基本を守ることを徹底していて、その上に奇跡があるのだと思っています。
今後、貴社も店舗展開をされると思いますが、どのような方と一緒に働いていきたいですか?
もちろん経営理念に共感していただける人ですが、自分自身の人生を真剣に考え、働くことに意味を見い出せている人ですね。そうでないと、弊社で働く意味がないと思っておりますので。
もちろん、目指していることや志向は個々で異なりますので、ポジションや働き方が異なっても、みんながストレスフリーに働ける場をつくっていきたいと考えています。
今後は、どのようなことに取り組まれていくのでしょうか?
個人的にはやりたいことはたくさんありますが、新しいことを始めるにあたって、従業員の方々にも積極的にチャレンジしてもらいたいと思っているんですよね。従業員がいないとお店は作れないですし、続けられません。だから、「人」が一番大事なんです。
私自身が思っていることを実現しようとすれば、物件と資金があれば動けますが、それだと失敗します。だから「人」をベースに考え、その後に物件や資金のことを考えるスタンスです。
また、今後は、質の高いエンターテイメントが安価で楽しめる時代になっていくと思っていますので、我々も今まで組んだことのなかった方々と協業しながら、可能性と価値を広げていきたいと思っています。
お客様の中には、飲食とエンターテイメントのアンバランス感を不満に思われる方もいらっしゃると思いますので、それらを解消できるようにし、そこで過ごす時間を楽しんでもらいながらも、もっと楽しい、価値のあるものを提供していきたいです。
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