三島食品株式会社
代表取締役社長 末貞 操

広島県生まれ。広島大学水畜産学部卒業後、三島食品株式会社に入社。
2011年に常務取締役営業本部長兼生産本部長、2017年4月に代表取締役社長に就任。

末貞社長が、食品加工業にたずさわり、代表取締役社長に就任するまでの歩みを教えてください。

私は、水畜産学部の食品工業化学科で学んでおりましたが、食品であれば景気に左右されることも少なく、存続していくものだと思っていましたので、食品会社への就職を決めました。
研究職として入社をし、主に工場の品質管理を任され、生産管理システムの開発や全工場への導入、原価計算や購買などの仕組みづくりを行いました。
工場の運営も担うようになり、見える化を行い、関連会社のミスズガーデンのプロジェクトリーダーを任されたり、関東工場の工場長や生産本部長、役員と様々なポジションを任せていただきました。

それらを経て、代表取締役社長に就任されたのですね。

58歳の時に社長を任せていただきましたが、めぐり合わせと運、そしてまわりの皆さんのおかげで様々なことにチャレンジ出来、成果が上がったことで抜擢してもらえたのだと考えています。
オーナー企業でしたので、自分が任されるとはまったく考えてもなかったので驚きましたね。これまでも配属部署や職責が変わっていますし、別会社にいるような感覚でしたので、社長になるよりも50歳の時に生産本部と初めて営業本部長を任された時の方が刺激的だったと思います。

これまでの経営において、危機などはありましたか?

生産本部長の時に商品回収をしたり、数年後に売上が下がった時が危機でしたね。
その環境を打破するために、会社の仕組みを変えていきました。毎朝工場の従業員を集めてマイクを使い、マインド面や問題が起こる前の対策など、熱意を込めてお話をすることで啓蒙と浸透をし続けていきました。
売上だけをみるのではなく、職場が苦労する場所であってはならないと思っていましたので、働く人が困らないようにしたいと考え、始めたことです。そうすることで、生産性や売上も自然と上がっていきました。

商品づくりやお客様へ届けるにあたり、こだわっていることはありますか?

安い原料を仕入れて味をごまかすのではなく、良い原料を使い、良い商品をつくり、良い売り方をすることにこだわっています。この8年間で売り方なども変え、コマーシャルなどもせずに「ゆかり®」という商品の認知がされてきています。
また、売上の結果が出てから反省をするのではなく、未来を予測してシミュレーションすることを心がけています。これまでは量の管理を月末に行っていましたが、営業に関しても例えば一週間後に営業にいく会社へのロールプレイングや先輩・同僚からのアドバイスなどに落とし込むようにしました。

管理方法や売り方などを徹底されたのですね。

そうですね。それ以外にも、人事組織以外に「お役目制度」などをつくり、展示会サポートセンターやレジェンドセンターなど、各種センターを設けて私が指名し、本来の仕事とは別で能力を発揮できる場を提供しています。
例えば、「公認変人認定委員会」などを設け、変人(変化を起こす人)として、特殊能力をもった社員を登用し、現在では当社の漫画家となり、社内の掲示物や取引先のお客様をイラストとして描いてもらったりしていますよ。

今後、目指していることはありますか?

会社も商品も脇役になる「脇役戦略」は続けていきたいですね。ご飯だけでなく、肉・魚・野菜・麺・酒などお客様の商品を少しグレードアップするようなお手伝いをしていきたいです。そのため、取引先の売りたい商品を聞き、その価値をあげるお手伝いをしています。
また、理念が「楠」ですので、楠のように様々な苦労に耐えて、何千年も耐えていけるような会社にしていきたいですね。そして、430人の知恵を生かして、突破口を広げていくような衆智の経営をしていきたいです。
そのためには、ものの見方や考え方がしっかりしている人や心が柔軟な人など、様々なタイプの方と働いていきたいですね。

最後に、メッセージをいただけますか。

他社にはないものをどんどん進化させていくことが必要で、社内の見える化も1998年からスタートして28年も続いていますので、バージョンアップをさせ、愚直に良い商品をつくっていきたいと思っています。

「三島食品株式会社」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.mishima.co.jp/