株式会社クリエイティブプレイス
代表取締役社長 兼 CEO 中村 雄斗

1987年宮城県生まれ。日本大学卒業後、大手航空会社に就職。独立を志し、退職。
2012年に株式会社クリエイティブプレイスを設立。
現在では、日本酒専門店を15店舗展開。

中村社長は、もともと独立することを考えていたのでしょうか?

そうですね、中学生の時から漠然と社長になりたいと思っていたんです。ただ、やはり新卒でしか入れない会社があると思いましたので、各業界の上位3つくらいの大手企業を中心に就職活動をしていました。
大きな会社がどう回っているのかみたかったというのもあり、3年で辞めようと思ってましたね。独立するために東京にいたいという想いもありましたので、商社と迷った挙句、航空会社に就職しました。
実際は、3年もいなかったですし、当時学びたかったことが学べたかというとそうでもない、というよりも、正直分からなかったですね。

なぜ、独立したいと思っていたのすか?

父親は公務員ですし、家系はあまり関係ないのですが、なぜか高校1年の時から周りにも、そう伝えていたみたいです。
業種は決まっていなかったのですが、学生時代に居酒屋の客引きをやっていましたので、飲食業のノウハウは分かっていましたし、独立するタイミングで、飲食業をやろうと決めました。

どのような業態でやるかは考えていたのでしょうか?

どういう店にするかは、正直特に考えていなかったですね(笑)。
もともと客引きの経験がありましたので、売上自体はたてられると思っていました。言い方が少し悪いかもしれないですが、料理が作れて提供できる人がいればお店はまわると、安易に始めたのはありますね。
正直、お客様に対して、「何かをしてあげよう」という想いで運営していましたので、それがあれば良いと思っていましたね。

では、現在の店舗のこだわりやコンセプトについては、どうお考えでいらっしゃいますか?

ブランド理念はもちろんあります。「日本酒は楽しい、世界へ」を実現できるような仕事はしていきたいと思っています。
お客様の視点に立った時に、「○○があるから行く」という飲食店はないと思っているんです。あるとしたら、それは客単価が高いお店だと思いますし。それであれば、どこで差別化をはかっているかというと、「コミュニケーション」だと思っています。
お客様が感じる料理の味は、一緒に食べる人によっても感じ方が異なると思っていて、だからこそ、コミュニケーションの量と質に価値を置いて差別化していることこそ、弊社の特徴ですかね。

そのコミュニケーションの量と質は、どのように差別化しているのですか?

コミュニケーションをKPIとしています。弊社は、目標売上を最重要としておらず、会員の獲得率のみを追っています。
会員は有料ですので、「100円のハードル」を「お客様が使う1時間や2時間で超えて下さい」と伝えています。それは、コミュニケーションの量と質を上げることでそれが叶うと思っています。だから、売上でなく会員を獲得することに重点を置いています。

コミュニケーションを重要視しているとなると、どのような方と一緒に働きたいですか?

簡単にいうと、いいやつです。
飲食店って、1人ではできないと思っていますし、店長がやることはチームをつくることだと思うんです。例えば、自分自身が100点満点でもチームをつくれない人もいると思いますし、自分自身が60点でも、従業員60点の人たちで、良いチームをつくれる人もいると思っています。
だから、人として「ありがとう」や「ごめんね」という言葉を素直に言える人ですね。

何か制度とかは設けているのでしょうか?

12の行動指針があり、それらをもとにして、能力とマインドの2軸で評価をしています。定性面の評価に関しては、可視化できるかどうかが重要になると考えていますので、点数化することで反映させています。
また、リーダーシップとオーナーシップ、チームつくりを何よりも重視していますので、360度評価や提出物、1on1などをKPIで評価しています。

社員からは、どのような反応がありましたか?

不満はありましたが、質はよくなっていると思います。これからも、より良くなるために変わり続けようと思っています。
より良くなる事=会社が成長することですし、会社を大きく伸ばすことが重要だと思っていますし、会社が伸びないと、一生懸命働いていただいている従業員の給料はあげられないですしね。
トップに共感できないと従業員も働いていただけないと思っていますし、だから、社長としての私自身の評価は、信頼している社員にやめられないことだと思っています。

最後に、次の一手を教えてください。

コミュニケーションの質と量を増やし続けながらも、それだけではなく、距離と幅を広げていきたいと思っています。詳しいことは現段階では秘密ですが。
お客様が何を望んでいるかは、常に考えていきたいですね。お客様って、究極は新たな経験・体験をしたいと思っていると考えています。弊社は、まだ唯一無二ではありませんが、他の飲食店よりは、コミュニケーションの量と質があるから来ていただいていることはあると思いますので、その距離と幅を広げようと思っています。

店舗展開などは、考えていらっしゃるのでしょうか?

そうですね、来期は20店舗に、2020年には100店舗を目指していきます。来年には海外展開も考えています。ただ、店舗展開をするだけでは面白くないと思っています。
日本酒業界はブームではあるものの、日本酒の製造は年々減少しているのが現状です。
なぜ、「安くて、おいしくて、かっこいい日本酒」をつくらないのか疑問に思っている部分はあります。ワインは、安くても、どこかかっこいいものってあるじゃないですか。
だから、世の中からより評価される日本酒を提供していきたいと思っていますね。日本人が良いと思っていないと、海外にも出していけないと思っていますし、だからこそ、多くの人に日本酒を味わってもらいたいです。
「日本で生まれたお酒を世界に届ける仕事」は素晴らしいと思っていますので、山をつくるのではなく、裾野を広げる仕事をして、唯一無二の存在になることが本当のミッションだと思っています。

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http://www.creativeplace.co.jp/