代表取締役CEO サミ ミアン
東京都生まれ。インターナショナルスクール卒業後、アメリカの難関私立大学に進学。
大学卒業後、日興シティーグループ証券へ就職。その後、シティーグループのロンドン支社へ転勤し、資産運用に従事。
日本に帰国後は、ドイツ証券株式会社にて活躍していたが、以前から抱いていた「教育」で事業を行いたいと決意し、飲食にてフランチャイズ本部を構築。
その後、2015年に株式会社エイジーエムを設立。
ミアン社長は、もともと独立することを考えていたのでしょうか?
父親には、サラリーマンにはなるなと言われて育ちました。父親も経営者でしたので、サラリーマンのように自分の時間を人に売ることはするなと言われていました。
だから、サラリーマンになるなら、どの仕事よりも報酬が高い会社を選ぼうとも思いましたし、1時間あたりの時間給が高い金融業界に入りました。
そこで、お金の知識の格差に気づいたんです。
そこから、どのような経緯で起業をされたのでしょうか?
子供にきちんとしたお金の知識を伝えたいと思っていたからですね。
日本では学校でもお金の基本的な知識を教えないですし、自分は金融の世界にいましたが、その世界を1回でも出ると、こんなにも知識格差があるのだと気付いたんです。
だから、お金の知識格差をなくすために、高校の先生になろうとも考えていたのですが、妻に反対されましたので、ビジネスの世界でお金の知識をイコールにできるビジネスは何か考え、それがフランチャイズだったんです。
経営者がフランチャイズのオーナーに経営の学び方を教えること、高校の先生であれば結果は見えにくいですが、フランチャイズであれば売上が目に見えると思いました。
もちろん、フランチャイズは様々な業界に存在していますが、知識格差が一番あるのは飲食・サービス業だと考えたんです。
社会の課題に目をつけ、飲食業を立ち上げたのですね。
そうですね。もう一つ、私自身の食の体験から感じた課題もあり、だからこそ日本の食文化を甦らせたいと思いました。
私はイスラム教徒ですので、豚肉を食べることができません。ただ、日本のレストランや一流ホテルに訪れても、提供している料理の原材料を把握していないことが多く、困ることが多くありました。
世界の1/4もの人口がいるイスラム教徒も、日本に来ない、来たくないと思っていることの多くは食が原因です。食材を卸している側も、提供している側も、食べている側も何が入っているか分からない状態で、且つ原材料が記載されていたとしても日本語のみの記載であれば、それは怖い状況だと思います。
これらのことが解消されれば、日本に来たいと思う方が増えるのではないかと思いました。
また、日本ではガンが増えています。実は海外ではガンは減っているのですが、先進国で増えているのは日本だけなのです。それは、食品添加物を使っている料理が多いからであり、日本の食の自給率が圧倒的に低いのも、遺伝子組換の材料を使っていることが多いからです。アメリカが100%前後に対し、日本は約35%です。
これらの日本の問題を、食を通して解決していきたいと考えました。
どのように解決をしていこうと考えたのでしょうか?
まず、提供する料理の原材料に何が入っているかを明確にし、人々の健康を害さない、本当の意味で安心安全な料理を提供していきたいと考えました。
弊社では、日本中から良い食材を集めて、食材の内容をメニューとして見える化しています。原材料はもちろん表記しますし、極力、添加物を使わないものを使用しています。
また同時に、作物を一生懸命つくって下さっている農家の方々の支援をしています。無添加で良いものをつくっているが、なかなか売れずに困っている生産者とお客様をつなぐことにこだわっています。
日本には、良い食材や職人はたくさんいますし、世界から見てもメイドインジャパンは素晴らしいと思いますが、マーケティング観点でいうと世界には負けていると思っています。それらのことを「イタリアン食堂」として展開しています。
こだわりを持っている生産者の方々がつくる作物にブランドの価値をつけ、日本の自給率をあげ、安心できる料理を提供すること。また一方で、海外の方が安心して日本に来れるような業態をつくることで解決していこうと考えました。
それらの良い食材はどのように集めているのでしょうか?
食材の原材料や生産者、肥料・飼料、生産工程を追跡ができ、安心安全を認証する機関として、「一般社団法人ジャパントレーサビリティ協会」を設立しました。
そこを通して、全国から物語のある良い食材を集め、イタリアン食堂を通してお客様に提供しています。
例えば、株式会社DHCと京都大学が研究開発した「ケール」は農薬を一切使用していないものです。また、北海道の恵み豊かな十勝の大地で健康で安心・高品質な牛を育て、初生から肥育までの一貫生産体制を確立させてつくった豊西牛。育成から出荷まで手作業で行ったバジル。国産鶏肉生産量の約1%と貴重な地鶏を提供など。
昨今、加工技術が発展し、食が便利になるにつれ食の安全面が疎かになっています。
体に害を及ぼす添加物が当たり前の世の中になり、流通経路の複複雑化で不祥事の際に責任の所在や生産情報が不明になり、生産者の想いが消費者に伝わらなくなってしまっています。
便利さを犠牲にせずに安心安全を提供することが可能だということを証明していきます。
集めた食材やコンテンツは、どのように浸透させていかれるのでしょうか?
主に、インターネットを通した、インバウンドマーケティングにて広めていきたいと考えています。
日本はまだまだ、商品力はものすごくあるけど、売り方が下手なところもあると思っています。反対に、アメリカでは、商品はそこまで良い訳ではないですが、売り方はうまいと思うんですよね、爆発的に売れているものもありますし。だから、インバウンドマーケティングは、アメリカの売り方を参考にしていきたいと思っています。
今後は、より一層マーケティングを強化されていかれるのですね。
はい、良い商品と良い売り方が合わされば、怖いものはないと思っています。良いサービスや素晴らしい食材やモノなど良いコンテンツを集め、世界へ発信していくための切り口は、常に考えていきたいですね。
また、本当の意味で安心安全な食材を提供していくためにも、良いコンテンツが集まる会社にし、日本の食文化を甦らせていきたいと思っています。
「株式会社エイジーエム」を詳しく知りたい方はこちら
http://www.agmcorp.co.jp/index.html