株式会社スマイルワークス
代表取締役社長 坂本 恒之

北海道出身。大手流通企業の法人営業を経て、
インターネットセキュリティ関連のベンチャーへ転身。
その後、外資系ソフトウェア会社に入社し、日本IBM株式会社による買収を経て、IBM社全体のソフトウェアマーケティングの責任者に。
その後、中小企業のIT活用支援を志し独立。債権流動化システムをWebサービスとして提供し、NTTデータへ売却。
その後は個人でコンサルティング業を行い、2003年に株式会社スマイルワークスを設立。

 

長年IT業界でご活躍されていますが、どのような経緯があったのでしょうか?

私はもともと文系で、新入社員として大手流通企業に入社しました。そこで受発注業務を任されたのですが、商品や顧客毎にFAX送付表や明細も異なり、発注書もそれぞれ切ってFAXする。どの顧客から発注が入ったのかも正の字を紙に書き、仕入先や商品毎に計算して支払する、といったまさにアナログな業務で、かなり非効率な状態でした。
私の一番初めの仕事がそれだったものですから「これは人間がやる仕事ではない、コンピューターが行う仕事である」と課長に提案したことがきっかけで、新人である私に予算もつけてくれて、ベンダーに依頼して受発注システムをつくることになったのです。
業務が効率的になっただけでなく、当時は画期的だったものですから社長賞などもいただき、「新人でコンピューターに詳しい人間がいるぞ」と社内のあらゆるところから相談がくるようになり、社内のシステム化がどんどん進んでいったのです。

そのことがきっかけでITに興味をもたれたのですね。

そうですね。コンピューターについて勉強するようになり、今後インターネットが普及すると考えベンチャー企業に転職しました。インターネットが普及すると今度はセキュリティが必要になると考え、IBM社に声をかけていただきました。
その後は、もっと合理化について精通し支援をしていきたいと思ったのですが、IBM社は大手企業様が顧客であり、日本の99%が中小企業であるため、ここでは支援ができないと思い独立することを考えました。

新人時代に感じた課題でお困りのお客様を支援したいと思われたのですね。

はい、紙と手作業で困っている方々にクラウドを使って業務を効率化させ、モチベーションが上がるような仕事をしてもらいたい。正の字を書くことがお仕事ではお客様は喜ばない、もっと前向きな、付加価値のある仕事をしてほしいと思い、スマイルワークスの設立に至りました。社名もこれらの想いが募っているんですよ。
しかし、お客様を目の前にすると中小企業はITに対するアレルギーが多いと感じましたね。「またシステムに騙される」「クラウドなんて分からない」などといった声は多く、壁を感じました。ただ、活用するためのITリテラシーがないだけで、導入メリットや活用イメージを伝えることで徐々に抵抗感が薄れ、興味をもっていただけるお客様が増えていきましたね。

これまでの経営の中で苦労されたことはありますか?

永遠の課題になるかと思いますが、ベンチャー企業だとやはり採用が課題ですね。
ただ我が社では、働き方変革に取り組んでいます。例えば週2、3日で社会保険も支払い、正社員雇用するなど就業形態を柔軟に選べるよう対応しています。女性のライフステージの関係で働く時間、環境が限られているけれど優秀な方ってたくさんいると思いますので、そのような方々の雇用を創出したいと考えています。
またクラウドの会社ですので、当然自社のクラウドERPだけでなく、電話やFAX、ファイル共有など全ての会社のインフラを早くからインターネット化していたこともあり、緊急事態宣言が発令されても翌日からすぐにテレワークに切り替えることができました。
フレックス制度や時短正社員などもその一つですね。これはトライアルなので生産性が落ちるのであれば廃止するルールを設けていますが、社員が続けていきたいがために「こうしてほしい」という提案があがってきます。そうすることで生産性も向上すると思いますので、トライアルを続けていきます。

貴社の強みは、どのようなところでしょうか?

クラウドの製品は他にもありますが、販売、仕入、在庫のそれぞれの管理がクラウドででき、会計に連携できること、そうすることで一元管理につながります。
会計は過去しか見れませんが、経営者が聞きなることは受注状況や売上、在庫の状況。過去だけでなく現状把握ができ未来予測にもつながる。また、それらは営業の方も使うことになるため、会社全体の生産性向上にもつながります。
ERPは億単位というイメージもあるかと思いますので、中小企業の担当者からは安価というお話をいただきますし、個社毎のニーズに対応できるようにしています。

今後はどのような展開をお考えでしょうか?

現在、みずほ銀行や福岡銀行にOEM提供させてもらっているように、OEMの提供強化はしていきたいと考えております。
また、既存のシステムやツールと連携したいというお話もいただくことが多いので、API連携の強化も考えています。

With/Afterコロナにおいての取り組みについてお聞かせください。

我が社では以前からも取り組んでおりましたので、引き続き柔軟な働き方を取り入れていきたいと考えています。
地方で採用して勤務してもらうことも今取り組んでいることの一つです。我々としては優秀な方を採用できること、また地方としては就業、女性活用、テレワークなどの取り組みにつながることと思いますので、これを全国に広げていきたいと思います。

「株式会社スマイルワークス」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.smile-works.co.jp/