Flora株式会社
代表取締役 アンナ クレシェンコ
1996年生まれ。ウクライナ出身。ウクライナ国立オデッサ大学の国際関係学部を卒業。2017年に文部科学省の奨学金を受賞し来日。2022年に京都大学法学部を卒業し、京都大学経営管理大学院に入学。2020年に「S&R Foundation」に選抜され、「Kingfisher Leadership Program」でシリコンバレーに渡航。同年に京都のフェニクシーインキュベーションに選抜。身近な人の妊娠うつ発症により、女性の体とメンタルケアを目的にFloraを日本で創業。2022年に関西経済連合会や関西経済同友会が主催する関西財界セミナーの輝く女性賞を受賞。
御社の事業内容について教えてください。
「女性の心に寄り添う」をコンセプトに、女性の心と体をサポートするアプリ開発を行なっています。2022年3月にリリースした「floraアプリ」は、生理周期の解析、月経痛の緩和方法、妊活サポート機能などを搭載しています。AI/MLを用いた独自のパーソナライゼーション・アルゴリズムの実装により、個人特性に合わせたコンテンツ提供が可能となり、女性が自分自身の健康を理解しコントロールできる環境を実現します。
他に、子育てママのためのコミュニティサロンの運営や、学生に向けた性教育に関するイベントの開催も行なっています。
起業のきっかけはありますか?
Floraを設立したきっかけは、私の従姉妹が妊娠中にうつ病を発症し、その結果、お腹の中の子を亡くしてしまうという悲しい事態を目の当たりにしたことです。私自身も、とても悲しい気持ちになると同時に、日本社会全体として、産前・産後の女性をケアする体制がまだまだ不十分であることを実感しました。そこで「すべての女性が安心したマタニティライフを過ごすことができる社会」を創りたいと強く思い、起業しました。
アプリを開発する上で特に大事にしていたことはありますか。
創業当初は、市場ニーズがどれだけあるかを徹底的に調べることに注力しました。ユーザーの声を反映するために女性100人を対象にインタビューを重ねました。インタビューは、1人あたり2時間じっくりと話を聞き、今苦しんでいることや改善したいことをヒアリング。女性たちの本音は、WEBフォームや筆記のアンケート調査だけでは引き出しにくいと考えているので、対面で話すことを大事にしました。私たちがこのアプリにかける熱意を伝え、頑張る姿勢を見せることで初対面の方も徐々に心を開いてくれ、本当の悩みを話してくれたことが嬉しかったですね。
スタッフには海外出身の方や日本人など多彩な方々がいますね。社内をまとめるために意識していることはありますか。
よく会社をファミリーと例えることがありますが、私はスタッフに「スポーツチームのようになろう」と言っています。目標とする結果に向かって皆が一緒に走り続ける、それは会社であってもスポーツであっても同じだと考えます。スタッフ一人一人が選手のように個々に努力し、全体がチームのように団結することができればと思います。
これまでに苦労したこと、大変だったことはなんですか。
創業当時から優秀な人材の獲得には苦労しています。技術的に優秀なだけではなく、私たちのビジョンやカルチャーを共有できる「共感力」のある人が一緒にチームを作っていける人だと考えており、そんな方々と一緒に働きたいと思っています。
当初は、とにかく周囲に声をかけていくことが多かったのですが、自分たちの事業をWEBなどでしっかり発信していくうちに、優秀な方々からアプローチをしてくれるようになりました。コツコツと地道に発信をしていくことはとても大切だと改めて感じました。
これから起業される方にメッセージをお願いします。
どんな活動でもいいので、まずは行動をしましょう。行動をした後は、モチベーションを保って続けるための努力をしましょう。スポーツと同じく、結果は日々の積み重ねから生まれます。あれこれ悩む前にまずは行動することから始めてみてください。
「Flora株式会社」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.flora-tech.jp