代表取締役社長 廣瀬 周一
神奈川県生まれ。埼玉県所沢市育ち。大学卒業後、位置情報サービスのベンチャー企業に入り経験を積む。28歳の時に所沢市の市議会議員補欠選挙に立候補し惜しくも落選。
その後、株式会社ベルシステム24に入社し、コンテンツ事業部で妊娠・出産・育児サイト『ママニティ』を立ち上げる。
2009年にコンテンツ事業部を新設分割で独立をして、株式会社ポッケを設立。
早速ですが、どのような経緯で独立に至ったのでしょうか?
親会社であるベルシステム24には、当時のコンテンツ事業部のトップに、「占い」以外のコンテンツを増やすというミッションと共にお誘いいただきました。そこで、妊娠・出産・育児系の有料サイトで日本一となった『ママニティ』などいつくかのサービスを立ち上げました。
ただ、コールセンターを主幹事業としている会社でしたので、コンテンツ事業との文化の違いや制度的なひずみが顕在化するようになり、そのタイミングでコンテンツ事業部ごと他社に売られてしまう可能性が出てきたため、独立を申し出ることにしました。
独立してからこれまでに、危機などはありましたか?
スマートフォンが一気に普及した時に、それまで携帯電話会社の公式サイトで展開していたビジネスの売上が横ばいになり、業績が悪くなりました。それと同時期に月間の残業時間の平均が80時間を超えるほど働き方がハードになっていて、離職率がとても高く採用してもすぐに辞めてしまうという状況が続いていました。
業績はサービスをアプリ化したことで回復させることができ、それから社員の働きやすさについても改善を試みました。残業の理由をヒアリングしてみると、社内で管理しているExcelのシートやファイルがたくさんあり、それらの入力・管理作業に追われていることがわかり、Excelを一掃してシステム化を図りました。
このような改革を通じて月間の残業時間の平均を5時間にまで減らすことができました。それらの取り組みの様子をブログで発信するようになると、自然と応募者が増えましたね。発信している内容と実情にずれがないので離職率が低く、ここ直近4年で入社した人は1人も辞めていません。
どのような点が貴社の強みとなっていますか?
コンテンツの企画力です。頭痛を引き起こす気圧の変化がわかる『頭痛―る』など、あまり世の中にないものをつくっていきたいと思っています。コンテンツ自体は他社も真似ることができますが、常にその先頭を走っていきたいですね。
新しいアイデアを生み出すために工夫していることはありますか?
社員が意見を言いやすく、アイデアをすぐに実行できるような環境を整えています。
これまで新規事業をつくる際には、企画書を提出し企画会議やプレゼンをしてもらっていたのですが、それらも時間がかかりますので、今は社内SNSでアイデアがあがったら有志ですぐに動き出せるようにしています。
今後のビジョンを教えて下さい。
やりたいことがどんどんでてくるような会社でありたいです。
「新規事業を考えなければならない」という状況におかれるとあまりいいアイデアはでないですが、これまでのプロダクトを見てきても、本当にやりたいことがある人がつくるといいものができるんです。そのために、短期的に利益がでなくても簡単に潰してしまうのではなく、そのサービスを通じて何を実現したいのかという想いを応援しています。
『頭痛―る』も最初の2年は収益化できなかったのですが、地道な努力を続けてきたことで昨年ブレイクさせることができました。
また、日本で一番働きやすい会社にしたいです。世の中で働き方改革が流行る前から様々な改善を進めてきて、今年の1月には第4回ホワイト企業大賞の特別賞である『公私充実経営賞』を受賞しました。今では毎日平均10人以上が在宅勤務をしていて、スーパーフレックス制も導入しています。
そのように自由な働き方をしていますが、リアルタイム座席表をつくり誰がどこで働いているのかがすぐにわかるようにしています。トップからの施策で改善を続けるのではなく、社長面談や意見を発信しやすい雰囲気づくりなどを通じて、社員のアイデアにも迅速に対応できるようにしています。
このように自分たちが働き方改革に成功をしたので、そのモデルを親会社へ導入を進めるなど、コンテンツ以外の仕事もさせていただくようになっています。そこで収益をあげてまた新しい事に挑戦していきたいですね。
これから一緒に働きたいのはどのような人ですか?
やりたいことがある人ですね。IT経験がまったくなくても、アイデアがある人がすごく活躍してくれています。社内では、在宅勤務でもコツコツ仕事をしてくれるような真面目な人が多いですが、もう少し自由な発想の人がいてくれると嬉しいです。(笑)
「株式会社ポッケ」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.pocke.co.jp/