税理士法人エーティーオー財産相談室
代表 阿藤 芳明

東京都生まれ。早稲田大学卒業後、国税専門官として10年強にわたり税務調査を担当。
1988年に税理士登録。アーンスト&ヤング会計事務所、税理士法人タクトコンサルティングを経て、1992年に阿藤芳明税理士事務所、有限会社エーティーオー財産相談室を設立。
2002年に税理士法人ATO財産相談室に改組。

早速ではありますが、会計士を目指されたきっかけを教えてください。

大学時代に、勉強した知識を活かした仕事がしたいと思っており、会計士は当時難関だと言われていましたので、受けることにしました。
しかし、夢果たせず、卒業後は、まず国税専門家として国税局の税務職員として勤めることになりました。最初の配属は所得税部門だったのですが、やりがいを見い出すことができず、その後法人税の部門を担当させていただくことになりました。その部門は面白かったのですが、さらに面白い仕事として国際税務だと考え、英語を勉強し、当該部署への配属を希望したのです。
しかし、なかなか希望も通らなかったため、当時Big8といわれていた現アーンスト&ヤング会計事務所に転職。そこではアメリカ行きの話もあったのですが、当時の上司と合わず、2年くらいで辞めました。
その時に同僚からタクトコンサルティングを紹介頂いたのです。仕事は未経験の資産税でしたし、給与も前のところよりも低かったのですが、子供もいましたし、来て欲しいと言っていただいていましたので、参画することになりました。
そこでの本郷先生との出会いが、独立のきっかけとなりました。

どのようなきっかけとなったのでしょうか?

本郷先生には、商売の仕方やモノの考え方を教えてもらいました。本郷先生は心から尊敬できる方ですし、今でもお会いしますが、諸般の事情から、結局その事務所も1年半くらいで辞めました。
自分の我慢が足らないこともあるのだと思いますが、結局、独立することにしました。当時1軒だけですが「ついていくから辞めなさい」と言ってくださるお客様がいたことも、嬉しかったですね。
独立したいとか自分で経営したいと思ったこともなかったですし、あのまま本郷先生のところでずっとお世話になっていたら随分違った人生になっていただろうと思います。

独立されてから、苦労したことはありますか?

お客様の申告を間違えてしまったことですね。もちろんお客様はお怒りで、損害賠償にも発展しかねない状況でした。私自身も自宅を売らなければならないかという覚悟をしていたほどでした。
結果的には事なきを得ましたが、基本的には心配せず悩まない性格なので、危機があっても乗り越えてこれているのだと思います。ささない事で悩む人は経営者になれないと思いますし、私は心配なことがあっても具体的になってから考えればいいことだと考えています。

現在では、なぜ資産税に特化されているのでしょうか?

本郷先生の事務所で学んで、面白かったからというのが正直なところです。
法人税などは対応する業務が毎年同じで、提案できることがほとんどありません。相続税の場合は、「このようにすることで、こうなります」という設計図を描き、提案することができるのです。
そのため、現在では資産税一本で、お客様も全員資産家であり、相続税の心配がある方を対象としています。最終的なゴールは相続ですので、そのために提案できるかどうかだと思っています。

そのようなお客様から選んでいただくために、工夫していることはありますか?

ご紹介が多いですが、本の出版や講演、ホームページの更新などを行い情報発信していますので、こちらが情報を発するからこそ逆に情報も集まり、信頼いただけているのだと思います。
提案も工夫はしていますが、最後は人と人との相性だと思いますね。また、間違えた時にはきちんと間違えたことを伝えること、また隠さず正直に向き合っているという姿勢をみせることが、信頼を得ている秘訣だと思います。

今後、目指していることはありますか?

事務所を大きくすることは考えてなく、提案の質を上げることで「資産税だったらエーティーオーだね」と思ってもらえるような存在になりたいですね。
職員にも長く働いて欲しいので、働きやすい環境にしていきたいと思っています。
資産税で独立することはなかなか難しいことだと思いますし、リスクの大きさを考えても複数の目でみて組織でやっていく必要があることだと考えています。

それらのことを実現していくために、今後どのような方と働いていきたいですか?

ルーティンのお仕事ではありませんので、先を読める人ですね。
決算書は既に完結した事柄を数字にしただけで、死亡診断書と言われることが多いのです。「これらのことをしたらこうなります」ということを事前に理解し、提案していくことができる人と一緒に仕事がしたいですね。
相続税の申告書をつくることは簡単ですが、どのような相続にして行くかということが重要です。だから、そういった意味でも先のことを見据えて提案できる人ですね。

最後に、メッセージをいただけますか。

今後、AIの普及で税理士という仕事はどのくらいの需要があるか分かりませんが、それでも資産税は人間の知恵が必要とされると考えています。
税理士として独立する人の中には、税務はやりたいが、経営者向きではない人が多いと思っています。しかし、経営を支援する立場としてより良くするために、自らが経営についても考えておく必要があると思っています。

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http://www.ato-zaiso.net/