株式会社unbot
代表取締役社長 中町 秀慶

1983年生まれ、石川県金沢市出身。
大学在学中に中国北京への留学を経験。卒業後は日本で不動産デベロッパー企業に勤務した後、2009年に株式会社アドウェイズの中国法人へ転職する。
WEBマーケティングの知識を身につけ、2年半後に独立。中国を拠点に国内/越境EC店舗運営やソーシャルメディア運営を中心とした中国WEBマーケティング事業を展開する株式会社unbotを設立し、代表取締役社長を務める

早速ですが、起業の経緯をお教えください。

大学時代から中国への留学を経て、現地でビジネスに携わるようになったのですが、2004年頃の当時は、ワールドカップの影響などで大規模な半日デモが行われていました。
当然、中国国内を旅行していると「なぜ、日本の首相は靖国に参拝するんだ?」と中国人に問い詰められたことがあったのです。当時の私は、政治にも特段興味があった訳でもなく、明確な理由を把握していなかったので、とても困ったことを覚えています。
しかし、日本人の特徴や普段の生活スタイルのことを伝えると、握手を交わしてきました。この時に「日本も中国もお互いのことを知らないだけだ」ということに気づき、だからこそ、それらのことを伝えていきたいと思ったことがきっかけです。

それが今のビジネスの始まりなのですね。

はい、もともとメディア事業を展開しようと考えていたのですが、インターネットに国境は関係ないと考え、日本の良いモノを中国に展開し「インターネット上で、物を通して日本を知ってもらうようなサービスを作ろう」と考えたのです。

独立してから、苦労された時期などはありますか?

創業してからの2年間は苦労しましたね。
やはり、外国人として中国で事業を展開しようとすると無知なことが多いので、契約面やサービス交渉においては、とても騙されましたね。
また、よくある話だとは思うのですが、当初、同郷の友人と共同創業したのですが上手くいかなかったことはありました。

そのことがきっかけで、今に繋がっていることはありますか?

結局、「自分しかいない」ということですね。
アドウェイズ社で勤務していた頃は、もちろん総務や経理など事務の方がいるのが当たり前だったのですが、共同創業した時は覚悟が足りていなかったのだと思います。
だからこそ、現在では周りの人たちが私を助けてくれていると思っていますし、最終的に決めるのは私自身ですが、ついてきて下さることに感謝しています。

それらのことを経て、現在展開しているサービスの強みはどのような点にありますか?

中国側であらゆる運営チームを全て持っていることですね。越境EC事業となると日本のチームが動かしているケースはあると思いますが、我々のように日系会社が中国に全てのチームをもっている会社は他にないと思います。
データのプラットフォームを持っていますので、越境ECはテストマーケティングとして活用し、中国国内でオフラインで販売しているという点が他にはない当社の特徴だと考えています。

中国で成長させた事業を、なぜ日本にも展開されることになったのでしょうか?

まず、お客様の中には「日本円で取引したい」という方が多いということ、また知名度を上げて日本で上場したいと思っているからです。
実は、海外で事業を成長させ、日本で上場している会社は今までほぼ無いと聞いています。つまり中国国内で上場した場合に、中国での知名度もないうえに、日本でも全く知られないという事態を避けたいと思ったのです。
また、日本人の留学は年々減少しており、若い人の海外志向が弱まっていることも現状です。一方で日本の市場も縮小してはいますので、今の日本の若い人が少しでも海外に目を向けて、海外に出るきっかけになればなと考えています。

それらのことを実現するために、次の一手を教えてください。

データのプラットフォームを強化することです。
今の時代、小売業が強くなっており、メーカーは生産、流通、販売、広告など一気通貫したデータを保有していないと思いますので、それらを見える化してデータとして提供することで、メーカーの強みを生かせるプラットフォームを作りたいと考えています。
その上で、中国のプラットフォームと一緒に東南アジアに展開していきたいです。

それらのサービスをどのような方と一緒につくっていきたいですか?

「伸び代が見える人」ですね。経験と能力はもちろん大事ですが、努力や向上心があり、「これからどうしていきたいか」という思いがあるかどうかを重要視しています。
また、会社のビジョン、ミッション、『unbotスタイル』のバリューに共感できる方と一緒に働きたいですね。
組織としては、「サービス」と「組織」いずれか一方から成り立つと考えていますが、我々はどんどん生み出す組織だと思います。

これから海外に進出を考えている方々へメッセージをお願いします。

日本の市場が縮小していくことは、皆さんわかっていることだと思いますので、本気で行くことをお勧めします。
一方で、海外進出を打開策と考える傾向にはありますが、市場が成長しているからといって進出して儲かる訳でもありません。
だからこそ、勢いも大事ですが予算と人材をしっかり確保して本気で挑戦して欲しいと思います。

「株式会社unbot」を詳しく知りたい方はこちら
http://unbot.co.jp/