千株式会社
代表取締役社長 千葉 伸明

高校卒業後、営業会社を経て20歳の時に起業。
3年後、大きな組織を経験するために株式会社USENに入社。
2年間トップの業績を上げ、25歳の時に2度目の起業をし、千株式会社を設立。

まずはじめに、起業の経緯を教えていただけますか?

実は、幼少期にはサッカー選手になりたいと思っていたのですが、経営者一族の環境で生まれ育ちましたので、私もいつしか経営者になるんだと、ごく自然に考えるようになりました。
具体的にどのような事業をしようか考え始めた時に、300人以上の経営者にインタビューをさせてもらい、そこで出会った経営者の一人から、「子供の運動会やピアノの発表会などで撮影した動画を親にシェアしたら喜ばれた」という話をいただいたことがきっかけで、今の事業を始めました。

これまでに、経営において危機などはありましたか?

最初は危機ばかりでしたよ。
2008年9月に知人の会社にシステム開発を依頼したのですが、その会社が忙しかったがために当社に時間をあまり割けず、単年で億単位の売上毀損につながってしまったことがありました。そのことがあってからは内製化に踏み切ることができ、今でも継続させています。
また、当時は資金繰りにも苦労しましたね。借金が多すぎて、コンビニの70円の紙パックジュースを購入しようとレジに並んだところ、財布に全くお金が入ってなくその70円のジュースさえ買えなかった時はさすがに焦りましたね(笑)。

それらの危機をどのように乗り越えられたのでしょうか?

自分の給料を止めたり、友人にお金を借りたり借金返済も家賃も後ろ倒しにしました。そのように危機に陥る時の共通点は、支出が増える時でしたので、大きなイベントの同時進行は極力重ねないように肝に銘じています。
また、地道に目の前の仕事を全力でこなしていきましたね。投資をしなくてはならないところも早めにおさえる必要があります。社名だけに“見切り千金”ですかね(笑)。

貴社の強みを千葉社長はどのようにお考えですか?

平均年齢27歳という若さが会社の経営に直接的に関係していると考えています。なぜなら、若い人はSNSネイティブで考え方も柔軟で、インターネット社会への適性も高いからです。時代の最先端を走る企業であり続けるためにも、若い意見を重視して取り入れています。
また営業力やテクノロジーもこの事業における市場の中ではトップです。カメラマンも内製化していて商品単価も高いので、市場のシェアが更に高まるのも時間の問題ですね。

海外展開の経緯について教えてください。

とても親しくしていたとある大企業の事例で、当時通信業界ではトップを走っていたにも関わらず、周辺業界への進出が遅れたことがありました。
その経験から、本業が上手くいっていても新しい種を蒔き続けなくてはならないということを学び、海外展開を決意いたしました。本業に集中している間に他の企業が進出してしまうことを考えた時に、後発で取り組むと3倍以上のパワーや資金が必要になるため、私たちが新しい種を常に蒔き続けていきたいと考えています。
また、日本の文化やクオリティを海外にも届けていきたいと考えていて、すでに台湾に進出しています。台湾は親日で日本文化を受け入れてくれる余地がありました。来年あたりにはシリコンバレーやインドに進出していきたいと考えています。
これまでアジアの経済発展の中で一番貢献してきたのが日本ですので、どういった文化で成長したのか、勝ちパターンを見つけて踏み出していきたいですね。

今後の戦略について教えてください。

2024年には20カ国に展開したいです。5年ほどで海外における勝ちパターンを見つけ出して全世界に展開し、海外展開を強化していきたいと思っています。
言語の壁など様々な課題点はあり、その中でも中心となって牽引していくリーダーが増えていかなければいけません。
教育システムを確立していく中で新規事業を作り、若手を引っ張っることでボトムアップしていけたらと思います。背伸びさせてでも色んな経験をさせていきたいです。そのために、成長意欲や向上心があり、その中でも論理的思考で物事を捉え、情熱を持って働いてくれる方と一緒に頑張っていきたいです。

最後に、海外進出を考えている方へのメッセージをお願いします。

自分にとって一生懸命になれるものや、今までの人生を振り返って大事なもの、何の問題解決をしたいか、会社と自分のやりたいことで何が社会をよりよくできるかを探していくことが重要です。
起業する上で現在勤務している会社のアイデアを持ち出すのではなく、自分自身や仲間が働く上で社会の一部になった、と振り返った時に思えることをしたほうがいいと思います。担い手にあった事業を展開することを考えてみてください。
起業だけでなく、今の会社でも提供価値を見つけることや、既存事業にイノベーションをもたらすことなど社会貢献する方法はたくさん存在すると思いますので、人が応援してくれることを吟味して見つけ出すのも一つの手です。
現在の日本では起業しやすい環境になってきたと思いますので、悔いのないように考えながら、三方よし、世間よしの考え方で頑張っていきましょう。

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https://sencorp.co.jp/