代表取締役社長 國見 大
1932年に曽祖母が創業した美容室の四代目に就任。
インターネット通販のマーチャンダイザーを経て、母から受け継ぎ、ブライダルを中心にサロンを運営。
職業訓練法人 全日本婚礼美容家協会 講師も務める。
國見社長は四代目と伺ったのですが、もともと継ぐことを考えていたのでしょうか?
実は、もともと家業を継ぐことは考えていませんでしたが、美容師免許だけはもっておきたいと考えていましたので、高校を卒業した後に美容学校へ進学し、美容室に就職。その後アパレル業界へ転職しました。家業を継ぐ直近は、インターネット通販会社のマーチャンダイザーをしていました。
代々、親子二名体制で経営をしていましたので、祖母が亡くなったことがきっかけとなり継ぐことを決めました。入社後しばらくは取締役でしたが、契約締結の際に自分が代表となることで、もっとスピード感をもって自分の責任で仕事を進めていきたいと考えたのです。
会社名をそのままにしたのは、約80年の伝統ある会社をリセットする必要はないと思っていたということもありますし、経営の仕方次第でコントロールできるとも考えていましたので、私が関わることで、よりブランド化することを目指しました。
國見社長の体制になられてから、苦労されたことはありますか?
入社当時は、結婚式場のテナント美容室というのが会社のメイン事業でした。私が代表になり、出張ブライダルヘアメイクの事業を立ち上げ、店舗出店をする予定となっていたところ、内装の打合せのタイミングがちょうど東日本大震災の日と重なってしまったのです。
もちろんその新しい店舗のこともあったのですが、金曜日でしたので、土日の結婚式のお客様の対応、その翌週以降の卒業式のお客様の対応もしなければならない中、20代で借り入れをして、売上も止まってしまうという状況に危機を感じましたね。
それから内装業者も協力してくださり、結果的に6月1日に店舗をオープンすることができました。流れに身を任せることもありましたが、会社をたたむことはないと思っていましたし、出張ヘアメイクで待ってて下さるお客様はいましたので、あのタイミングでは進む決断をするしかなかったと思っています。
お客様のことを考えての決断だったのですね。
80年以上もお客様に愛され続けている、貴社の強みはどのようなところにあるのでしょうか?
当社は、大きくブライダルヘアメイクとヘアサロンの二つの事業があり、ブライダルは基本的にはレストランやプロデュースなどのお取引先からご送客していただいています。
昔はこちらから営業をかけさせていただくこともありましたが、ここ最近は会場様から提携のお声かけをいただくことがほとんどで、お断りさせていただくこともあるほどです。
選んでいただけている理由としては、各会場様から評価をいただけているところがあるからだと思っています。業務提携のご相談をいただいてから、お客様を送客していただくまでの「オペレーション周りの構築」はどこよりも早いと思っています。
また、何よりも、お客様が初めて来店されてから、当日まで、ヘアメイクの技術だけでなく、接客としても喜ばせることのできるスタッフたちのおかげだとも思っています。86年の実績が遺伝子として伝わり、それぞれの時代のお客様が満足して下さっているのだと思います。
時代にあわせたご接客やサービス提供をしているということでしょうか。
ヘアメイクをして着付けをするというサービスに変わりはないのですが、しっかりとした歴史と技術をベースとして、どのような年代のお客様が、どのようなシーンでお召しになるのか等、時代に合わせています。
お客様は、その時々の雑誌や友人の結婚式で新婦をみて、自分の一生に一度の結婚式を迎えると思いますので、その時代を生き、考えているスタッフでないと難しいですね。
今後、目指していることはありますか?
現在、ホテルも含めて3店舗の運営と、約20会場と提携をしており、今年に入り新たに2会場とお取組をさせていただいておりますので、今はその新しいお取引先との取組を軌道にのせることを今年度の目標にしていることと、そのお客様を幸せにするために専念したいです。
また、ドキドキワクワクできる会社にしていきたいですね。私の人生のミッションでもあるのですが、社員がドキドキワクワクできる会社だと、接客されているお客様もそういった気持ちになると思っています。
ブライダルだけではなく、広告や映画のお話もきますので、スタッフが楽しさややりがいを感じてもらえるような仕事も作っていきたいですね。
それらのことを実現するために、今後どのような方と一緒に働いていきたいですか?
「うちの会社大好き!」という人ばかりだと会社も良い方向にいかないと思いますので、「こうしていきたい!」という積極的に発言していくような人を重視していきたいですね。
私たちは、お客様から幸せをおすそ分けいただくような仕事であり、一生に一度のイベントを毎週対応していますので、より一層気を遣いながらも自己管理していくことが重要です。
現在、美容師が少ない状況ですので、できるだけ長く一緒に働いて下さる人が必要となりますので、休暇制度やテレワーク等の多様な働き方も導入し、環境を整えたりもしました。
ブライダルヘアメイクにたずさわりたい、しっかりした技術を身に付けたいという人が働ける環境をつくっていきたいと考えていますので、それらに共感できる人と一緒に働き、いろいろな人と仕事をすることで私たち自身も成長につながっていくと思っています。
歴史がある会社だけど若い、面白そうって思ってもらえたら嬉しいですね。
最後にメッセージをいただけますか。
ブライダルヘアメイクのお仕事は、美容師の国家資格を取得していなければできない仕事です。その資格を最大限活かして、「おめでとうございます」とお客様に伝え、「ありがとうございます」と返していただけるお仕事は少ないと思っています。
大変なこともありますが、やりがいのある仕事だと思いますので、是非一緒にそういった多くの幸せをつくっていきたいです。
「株式会社原良子美容室」を詳しく知りたい方はこちら
http://harayoshiko.com/