和から株式会社
副社長 経営最高責任者 綱島 佑介

大学卒業後、多摩中央信用金庫(現多摩信用金庫)を経て、製造業品質管理・工程管理責任者、クリニック事務長と転職し、2016年より和からに入社。
文系のための統計カリキュラムを設計し、
「現場に根付く統計学」をコンセプトに統計コンサルタントを行う。

 

 

はじめに、和からに参画されることになった経緯をお聞かせください。

金融業界を経て、実家の建設業で経理をしながら働けるところを探していて、地元の製造業の改善支援を7年程行いました。その後に、他の業界のマネタイズを知りたくて「医療業界」へ行き、そこから「大人のための数学教室」という変わった事業を行っている会社と出逢い、社長と面談したのがきっかけです。
私自身、数学は好きではないんですけどね(笑)。日本人の大半がそうだと思いますが、それを好きになってもらう、「数学」の伝えたい概念を理解してもらい、「役立つ」ことを目的に事業運営している会社でした。
個別指導塾で数学に長けたスタッフや講師で構成されており、「ピン芸人の集まり」のような会社となっていて、企業としては運営できていない状態になっていたところ、徐々に経営も任せていただくようになりました。

任された経営において、これまで苦労されたことなどはありますか?

正直、次々にいろいろなことが起こるので、あっという間に過ぎた数年で記憶が曖昧で・・・。
強いて言えば5年程前に社員の統制に悩まされたことですかね。授業内容など会社側が把握できず、各講師のスキルにお任せしていたところ、情報共有もされずに他の人では何も対応できないような手に負えない状態になっていました。会社としてのノウハウや価値がほとんどない状態になっていました。

それらをどのように乗り越えられたのでしょうか?

まずは社内の人の心を動かしにいくことでしょうか。入社したばかりで味方もおらず、社長の信頼も今ほどになかったですし。ただシステム導入して情報共有したり、手順化したり職務記述書を作ったりと何もすごいことはやってなく、コツコツと将来につながることをやり続けていました。
あとは問題が起こることが予見できても、軽~く担当者などへ伝えて、反対意見が出たらすぐに引く。問題が「起こった後」の対策だけ打って置き、問題が起こるまで先に対処は行わない。
その後に担当者がやっぱり問題になって困っていた時にはじめて助けに行く。これを繰り返したら、段々と指示を聞いてもらえるようになり、理解してもらえるようになりました。困った時に助けられるとありがたみを感じられると思うので、それを長年繰り返し、新しい血を入れ、入れ替えるということをやり続けることです。いずれ、私が入れ替わる日が来ることも常に視野に入れています。

現状に耐えて将来に繋がることをやり続けることでしょうか。

そうですね、だから一番の苦労は「忍耐」なのではないかと思っています。
新しいビジネスを立ち上げたら、最初は私が頑張る比重や稼働を100として、常に評価して可能なタイミングですぐに100%から10%ずつ下げていくことを基本としています。下げた10%を他の人に手伝ってもらい、徐々にその割合を上げていき、自分が関わる割合を限りなく落としていきます。
そのようにして、新規ビジネスをスタッフに渡して、それぞれがいなくてはならない社員としてスキルアップや、やりがいができていくと思っています。
だから私自身は社員教育に力を入れ、未来を描き、そこに合った教育をする。社員も自分自身に関係ないと思うものでも身になるものは必ずあるので、それを見せてあげることですかね。
それにより、今では個別教室・セミナー運営、システム、講師統制、動画編集、新商品・サービス開発などなど、私より詳しく実施してくれる担当者がしっかりとフォローしてくれています。

貴社の強みを教えてください。

当社調べで日本初となる「大人向け数学教育」ですね。大人が大学に行かなくても自分の数学力レベルに合わせて学びたいところから講師を調整してカスタムできることです。
高校生までが学ぶ、受験のための数学は「大学合格には必要」ですが、本来の「生きていくために必要な知恵としての数学」を教えられる場所は非常に少ないと感じています。
また、日本では「データリテラシー人材の不足」も言われており、統計学についても力を入れています。特に強みとなるのは、日本最高峰の頭脳と言えるほど数学に長けた講師陣が在籍してくれる一方で、私を筆頭に文系スタッフが半数ほど在籍しているため、理系に偏らず文系の方が始めやすいカリキュラム構成が行えているところだと思っています。
しかたって、数式から授業を行うことを避け、統計学の重要な概念を理解し、活用できることにフォーカスしています。

今後はどのような展開をお考えでしょうか?

今の「統計」や「数学」はもちろん必要ですが、もっと多くの方に必要性を感じてもらえるような一手を打っていく予定です。例えば、数学が苦手な人でも、簡単にデータを可視化し、直感的にデータの勘所がわかるツールや、情報を収集できるツールなどをリリース予定です。また学べるプラットフォームとして動画視聴サービスも開発してます。

最後にメッセージをいただけますか。

スーパーフレックスタイム制をはじめとして在宅勤務、雇用形態など、世の中にない仕組みの会社をつくっていきたいです。
今の日本社会では人材不足であり、なかなか良い人材は入ってきません。
だからこそ、会社という船は荒波渦巻く現代の社会の中で、まずは転覆しないことを前提に一定の年月をかけて船乗りのスキルを上げて、信義則を積み重ねて進んでいく。
会社と社員、講師の方々の双方の信頼がなくなれば辞めていくだけです。
経営責任者と言っても物事を傲慢に進めたら誰もいなくなります。
新ビジネスも私が関係する人たちへデータや情報をもとに説明し、賛同が得られたものを実施していく。妥当だね、と思えるような会社にしたいと思っています。だから上がしっかりしなければならないと日々感じています。しっかりしてませんけど(笑)
社員のみんなにも納得しながら働いてほしいですし、社員の引き留めもしないで、選んで働いてもらえるような会社を作っていきたいです。

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https://wakara.co.jp/