渡邉 季穂
山野美容専門学校卒業後、1997年にエクセル(現uka)青山店内に初めて本格的なネイル部門を展開。現在、都内を中心に、6店舗のトータルビューティサロンの他、カフェ(uka)、ストアを展開。
2009年にブランド名を「uka」に変更、創業者より引き継ぎ代表取締役社長に就任。
2017年より現職。
早速ではありますが、渡邉さんが美容にたずさわることになったきっかけを教えて下さい。
父は理容師で、ヘアサロンを営む家に生まれましたので、当然のように美容師になるだろうとおそらく周囲も思っていましたが、資格は取ったものの、その道には進まず27歳頃まではファッション関連のアルバイトをしていました。
将来のキャリアを考え始めた時に、友人に誘われてネイルサロンに行ったところ、幼い頃からささくれや凹凸が大嫌いで、スムースな指先への憧れが強かった私の爪が見違える程綺麗になり、その見事な技術に感動して、ネイリストになりたいと思ったのです。
父が経営していたヘアサロンとつなげることができると思ったと同時に、父の友人が海外で展開する、トータルビューティーサロンに出会い、このようなサロンを作りたいと思い、青山店でネイルメニューをスタートしました。
そのことをきっかけに、お父様の会社を継ぐことになったのでしょうか?
オープン直後は、お客様もまったく来なかったのですが、スタイリストの友人に声をかけてもらい雑誌『Oggi』の表紙撮影にネイリストとしてたずさわらせてもらったことで、モデルさんや編集者さんなどとのつながりもでき、そのお仕事をきっかけに評判を呼び、お店も順調になりました。
そんな頃に『shu uemura』の植村秀先生にミッドタウン店への出店のお声かけをいただいたのです。当時は、資金繰りも考えずその場で決断し参画したのですが、この出店が転機となりました。
それからどんどん店舗も拡大し、父が退くタイミングで、代表に就任することになり、それから、私自身があったらいいなと思う製品であるネイルオイルを開発し、展開をスタートしました。店舗名もエクセルから『uka』にブランドスイッチしました。
トータルビューティが、貴社の強みとなっているのでしょうか?
そうですね。お越しいただく時間の中で、ヘア、ネイル、ヘッドスパ、アイラッシュなどの施術とカフェサービスを一緒にすることで、お客様の時間ロスを防ぐだけでなく、丁寧なカウンセリングや様々なセクションのスタッフとのコミュニケーションで、お客様に楽しい時間を提供することが可能になるのだと思います。
私たちのサロンのビジョンは「うれしいことが、世界でいちばん多いお店」です。仕上がりにご満足されたお客様の喜びの表情こそが、いちばん美しいと思っていますので、それらをつくるサービスやケア製品の提供を目指しております。
これまでの10年の中で、苦労されたことなどはありましたか?
人材不足は、常に課題でした。新卒社員が1年以内に全員辞めてしまったこともありました。
施術というのは学校に行けばすぐにお客様に提供できる訳ではなく、技術者はとにかく、入社後も練習が重要です。
そのため、当社では教育機関として「ウカデミー」を設立し、その教育カリキュラムの一環として入社後3ヶ月間専属トレーナーを付け、平日サロンには立たず集中トレーニングを行っています。学校卒業後、働きながら夜練習するというのは、体力的にも厳しいと思いますし、技術者は初めて指名をいただくことで自信になり、より成長します。なので、早くサロンで活躍できるようになるために、3ヶ月間の研修期間を設けることで、結果離職率は減り、売上は伸びました。
その他にも、新卒社員に対する社会人としてのマナーやコミュニケーションスキルアップトレーニングのカリキュラムを設けています。
それらのことを経て、今後どのようなことを目指していますか?
ネイルオイルからスタートしたオリジナルプロダクトも今では、国内で300店舗以上、海外は17ヶ国以上でお取り扱いいただいております。製品は言葉がなくてもつながるものだと考えていますので、プロダクトを通して世界中の方々に“うれしい”をお届けしたいと思っています。
世の中には良いモノがたくさんある中で、ukaらしい商品づくりを心がけています。
東京ミッドタウンにお声かけをくださった植村秀先生から教えていただいた言葉なのですが、「健康に良いもの、美容に良いもの、旬のもの、地のもの、そしてそこにサプライズを提供すること」いつもこれを胸に開発をするよう心掛けています。
会社としてはこれからも、お客様お一人おひとりを大切にきちんと向き合える、そしてお客様に成長させてもらえる企業でありたいと思っています。
そのため例えば、しっかりとした教育の行き届かない状態で多数の店舗展開をすることなどは考えていません。前述の教育機関「ウカデミー」を通して事業も多角化しているので、プロデュースとして人材や教育をサポートにも注力していきたいと考えています。ビューティという「仕事」を通して、人を美しく笑顔にできる人材を増やしていきたいですね。
それらのことを実現していくために、どのような人と一緒に働いていきたいですか?
私たちに共感し、共に夢をみて、一緒に頑張ってくれる人ですね。
理髪店からスタートしたukaは、今ではサロン事業のみに留まらず、オリジナルプロダクトの開発、販売、そして人材教育など、ビューティにまつわる様々なコンテンツを提供するビューティインダストリーへと成長を続けています。現在のukaであれば、もしも何かにつまずいたとしても、美容が好きであればそれ以外のポジションや選択肢もありますし、それまでのキャリアも活かすことができると思います。
自分の経験やスキルを存分に活かせるチャンスのある会社です。また、女性が多く活躍する会社なので、女性としてのスキルや感性も大いに発揮できる環境を整えています。
最後に、メッセージをいただけますか。
美容は人を綺麗にするだけでなく、それを通して人生に彩りや、楽しみを提供できるとても夢のある仕事です。
美容の技術者というのは、高い技術力とコミュニケーション力が求められます。日本で古来大切にされている心配りやおもてなしの精神こだわりを追及し、磨いていけば、世界で通用する一流の人間になれると思います。
そういった高い志を持つ若い世代を応援し、共に成長していきたいと思っています。
「株式会社ウカ」を詳しく知りたい方はこちら
http://www.uka.co.jp/