株式会社スープアンドイノベーション
代表取締役社長 室賀 康

1979年長野県生まれ。信州大学工学部を卒業後、JA長野共済連に就職。3年間システム部に在籍し退職。
その後、飲食業界に転職し、ファミリーレストランなどを経験。2009年に株式会社スープアンドイノベーションを設立。代表取締役に就任し、「ベリーベリースープ」のブランドを立ち上げる。

室賀社長は、昔から、起業や独立を考えていたのでしょうか?

独立は、考えてはいなかったですね。私は長野県出身で、就職も長野でしたのですが、大学の時も、「私は起業します!」っていう人は学年に一人もいなかったですし、考えたこともなかったですね。だから、大学卒業後は、JA共済に就職しました。
当時、同期が4人いて、それぞれ学生時代の経験に応じて異なる部署に配属されました。たまに集まって情報交換したりすることも多かったのですが、自分以外の3人が、自分自身の仕事を楽しそうに話すんですよね。
私は、その話に入れませんでした。夢中になれてなかったんですよね。考えていたことは、「いかに早く帰るか、土日を楽しむか」ということで、私の居場所はここではないな。飲みに行っても、土日でも、仕事の話ができるくらい好きな仕事をしたいと思ったんです。それが、飲食の仕事でした。

そこから飲食業に転身されたのですね。飲食は、もともと好きだったのでしょうか?

そうですね、飲食の食べることよりも、飲食店のオペーションが好きだったんです。
飲食店に行った時に、普通は「味が美味しい」とか「内装がおしゃれ」とか、そういったところに目がいくと思うのですが、私は、「ドリアの焼き色がいいな」とか「今日は店長がいないから、3分くらい出てくるのが遅いな」とか、なぜか運営側の視点で物事を見ていたんです。時には、運営オペレーションを覗いたりもして、それが楽しかったですね。
それに気づいたことがきっかけで、飲食チェーンの会社に転職しました。その会社は、当時は珍しかったのですが、「起業家輩出」を強くうたっていて、そこで起業というものに興味を持ちましたね。せっかくなら、一生続けられる、自分のやりたい仕事をしたいと思っていましたので、自分の会社を創ることに決めました。また、やるからには多くの方々に知ってもらいたいという想いはありましたので、チェーン展開をしたいと思っていました。

それが、「ベリーベリースープ」のスタートだったのですね。
なぜ、スープに目をつけたのでしょうか?

どんな業態で展開しようか考えていた時に、たまたま前職のオフィスの1階にスープ専門店があり、同期が食べているのを見て、これはビジネスにできるかも、マーケットに白地があるかもしれないと考え、始めました。

そのスープをもとに、どんなコンセプトで展開されているのでしょうか?

「女性に白いご飯を食べてもらいたい」という想いをもとに、展開しています。
男性であれば、白いご飯を食べたいと思った時に、牛丼屋とか気軽に入って食べられる場所があると思うのですが、女性が白いご飯を気軽に食べられる場所がないな、と課題に思っていたんです。だから、スープの専門店ではありますが、白いご飯と合うように濃い味にもしています。
内装も、女性が入りやすいような可愛らしい店舗にしていますし、スープって温かいものですので、年間通して涼しいイメージにし、茶色とかではなく、白とグレーの白樺を設けたり、スープの写真はあえて露出しないようにしていますね。

今後、店舗拡大もしていかれると思いますが、どんな方と一緒に働いていきたいですか?

理想的なのは、洋食に興味のある方です。
あとは、業界問わず、何かを一回でも極めたことのある方ですね。学生時代のアルバイトや部活、仕事など何かを極め、頑張ったという方は伸びる傾向にあります。また、お金をもらえさえすればいい、ではなく、きちんと社会貢献したいと思っている方と一緒に働いていきたいですね。

そのような方を育てるために、工夫していることはありますか?

「お客様目線」にこだわることですね。中間管理職の人間に対しても、常にお客様目線で判断するように伝えています。
例えば、「エアコンが壊れた際にどうするか?」という相談がきた際に、「見積りどうこうではなく、早く直す」ことに注力するよう伝えています。お客様が困ることですので、お客様が1分1秒でも不愉快なく過ごしてもらうことにこだわっています。
もちろんコストが高くなってしまうことはありますが(笑)。コストを無駄に使ってしまっても、会社の基準が「お客様目線」であることは浸透していきていますし、判断基準も統一されてきました。

今後は、どのような展開を考えていらっしゃいますか?

まず、店舗展開はいつまでに何店舗という明確な目標を設定はしていませんが、毎年5〜8店舗展開できていますので、それを維持していきたいですね。あとは、現状では一等地への出店はありませんので、認知してもらうためにも、商業施設への入り込みを積極的に進めていきたいと思います。
また、物販の強化を加速させていきます。今までは、通信販売や配送提供のみでしたが、大手スーパーや百貨店など、店舗販売もしていきたいと考えています。
また、弊社で3年かけてつくった「スープスペシャリスト検定」があります。この検定試験を普及することで、「スープ」の魅力を知ってほしいと思っています。
日本人はまだ、「スープは飲む、添え物」というイメージがあると思いますが、海外だと食べるためのものです。また、効能や作り方などまだまだ認知されていないこともありますので、情報やイメージを正し、より多くの人に魅力を知ってほしと思っています。

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代表取締役社長 室賀康」を詳しく知りたい方はこちら
http://www.soup-innovation.co.jp/