代表取締役 竹下 仁
オフィスやビルなど各種施設のコンストラクションマネジメントを展開する企業(現ジャスダック上場)に5番目の社員として入社し、20年以上経験を積んだ後、2010年に株式会社ティーズブレインを設立。
早速ですが、創業に至った経緯を教えていただけますか。
前職ではオフィスの移転・構築のサービスにたずさわっていたのですが、約20年務める中で「管理部門の応援団になりたい」という想いが強くなっていきました。
提供者である我々の想いではなく、お客様の発想によって環境づくりをしていましたので、お客様から「ありがとう」と言われることもあり、それらのことを担っていたのが経営者や管理部門でしたので、その方々に恩返しをしたいと思ったのです。
もともと人と関わることが好きだったこともあり、オフィスに関するハード面のサービスだけでなく、もっと幅広い分野において、働く人にとって貢献できることをやってみたい、と思ったことが創業のきっかけです。
ちょうど、5番目の社員として一緒にサクセスストーリーをつくってきた社長が退任し、そのタイミングで、私自身も違ったアプローチでお客様のサポートをしたいと思い独立を決意しました。
独立されてからどのようなことで苦労をしましたか?
前職では事業部門の責任者を担っていましたので、社長として経営をしてみることで事業のトップと会社のトップの違いに気づきました。財務や人事などの観点も含めて、会社を存続させることの本質がわかるまでにはかなり勉強が必要でしたね。
また、5・6期目に人が大きく入れ替わることがありました。ベンチャー企業は初期に自己成長意欲が高い人や個の力で成果をだそうとする人が集まりやすいですが、会社が大きくなり組織化が進むにつれてチームで活動することが必要となり、そのような人が離れていってしまったのです。
それからは組織の発展に応じて採用のターゲティングをしっかり決め、人数を安定させることができました。
現在の事業では、どのような点が差別化となっているのでしょうか。
一番はお客様の経営リソースにおける課題に対して、ソフト面とハード面の解決策をどちらも備えていることですね。
経営者の意識改革も必要となりますが、それらを行う環境と機能がないことには改善もできませんので、人・環境・ICTを掛け算し、お客様にとって最適な働く環境を提案させていただいています。
お客様に喜んでいただくために工夫していることはありますか?
どのようなことでも顧客ファーストであることです。自分たちの売りたいものを売るのではなく、お客様がほしいサービスをほしい時期にリーズナブルに提供できるよう心がけています。
そのようなサービスをするために、社内で取り組んでいることはありますか?
稲盛和夫氏が「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」とおっしゃっていますが、その中でも考え方を統一することが一番重要だと思います。熱意や能力は0からのスタートでマイナスがありませんが、考え方のベクトルが異なると全体がマイナスになってしまうからです。
そこで社内では、理念やビジョン・行動指針を大切にしています。3か月に1度、理念や行動指針を確認するための会議を開いたり、目に付く場所にスローガンを貼り出すなど、社員が意識できる機会や環境をつくっています。
また、当社はお客様との接待はあまり行いません。なぜなら、わたしたちの理念や提供しているサービスや人材に共感してもらったうえで、長いお付き合いをさせていただきたいと思っているからです。その代わりに、定期的に社員とのコミュニケーションをもつ場を設けることを大切にしています。
今後はどのような展開を考えているのでしょうか?
現在、東京大学大学院准教授の先生と産学連携で、社内の働き方の課題を洗い出す『働き方パフォーマンス診断』というツールを展開し始めました。
お客様の課題を引きだすコンサルティングのステップを確立するとともに、働く人・環境に関するあらゆるソリューションを自社で提案できるようになることで、お客様の課題をワンストップで解決できるようになりたいですね。
また、ブランディングに注力していきたいです。業界の中では認知度は高くなってきましたが、エンドユーザーにもティーズブレインを知ってもらえるようにしたいです。最近はビルの空室率が低くオフィスを移転するチャンスが少なくなっているのですが、働き方改革を推進しようとしている企業はたくさんありますので、オフィス移転以外のソリューションも提供できるということを認知してもらい、相談してもらえるような会社でありたいと思います。
それらを実現するために、どのような人と働いていきたいですか?
自分とは対極の考えを理解できる人ですね。
自分の意見をもつことはもちろん必要ですが、わたしたちは顧客ファーストであることを大切にしていますので、お客様の考えをまず理解して、その上で自分たちがどうするかということを考えてほしいと思っています。
また、小さな会社には想像して発想できる人が必要ですので、企画力がある人がいてくれたら嬉しいです。
最後にメッセージをお願いします。
起業をするには従業員とその家族を自分の肩に背負うという覚悟が必要ですが、時代や景気が左右される世の中でチャレンジをしていくのは楽しいですし、わたしは起業をしたことで50代になった今でも日々成長していると感じることができています。
私自身も色々な人とコミュニケーションをとることで視野や価値観を広げ、まだまだ成長をしていきたいと考えていますので、そういった交流のチャンスをいただければありがたいと思います。
「株式会社ティーズブレイン」を詳しく知りたい方はこちら
http://www.t-sbrain.jp/