代表取締役社長 石森 博光
1977年、東京都八王子生まれ。東京学芸大教育学部卒。
大学時代から起業を目指し、大学卒業後は商社、コンサルティング、大手広告代理店の経験を積んで、2010年にアドイノベーション株式会社を創業。
マーケティング事業、メディアコンサルティング事業、広告代理店事業を立ち上げ、2014年デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社と資本業務提携。
国内事業と並行に海外進出を続け、2017年にイスラエル発のアドテクノロジー企業、モバイルDSP「Taptica」のグループ傘下に入る。「Taptica」は、ロンドン証券取引所で上場しており、世界に9拠点構えている。
早速ではありますが、創業の経緯を教えてください。
学生の頃から起業をしたいと考えていたのですが、自分自身で取り組みたいテーマがあった方が熱を込めて挑戦できると考え、まずは数社を経て経験とスキルを身につけることにしました。
広告代理店のビジネスにたずさわる中で、業界内で提案の重複やお客様の取り合いなどが行われているのを目の当たりにし、それらの状況を変えていきたいと思ったことが起業のきかっけとなりました。
情報や対応の格差があることを改善したいと思い、広告情報を得ることができるアドマーケットプレイスを作りたいと考えたのです。
業界の負を解決するための事業を考えたのですね。
現在の取締役の竹内氏と共同創業されたと伺いました。
そうですね。竹内とは以前の職場で出会ったのですが、起業の話をした際、竹内も一緒にチャレンジしたいと言ってくれて共同で創業することに決めました。本当は、失敗したら申し訳ないという気持ちもあったので、まずは一人で起業し、成功してから声を掛けようと思っていたのですが、竹内が「石森さんだったら失敗してもいいから付いていきたい」と言ってくれたんです。竹内がそう言ってくれて、一人ではなく二人で挑戦してきたから今があると思っていますし、一緒に挑む人がいることでより一層気が引き締まりましたね。
これまでの経営において、危機などはありましたか?
2013年に約4億円の資金調達をし、2015年の上場を目指していたのですが、採用強化や海外進出も含めた様々な事業にチャレンジしていく中で、売上は伸びましたが約1億円の赤字を出してしまいました。
要因としては、急激に人が増えたことでセクショナリズムが発生してしまったことや、資金調達をしたにも関わらず、事業計画において自分が納得のいくまで血が通った計画書をつくれなかったことにあると思っています。当時はリーダシップも、マネジメントも未熟でした。
それらをどのように乗り越えたのでしょうか?
2015年から再建に取り掛かったのですが、まずは私の給料を半分に下げました。そして、私以外の取締役を全員解任し、トップダウンの体制を強化しました。それから、事業の選択と集中として、不採算だったロシア拠点やゲーム事業から撤退する一方、強みであった広告代理店事業部を強化し、私が事業部長も兼務するなど、役員が現場に戻り、体制強化をはかりました。
M&A後も好調とのことですが、どのような点が強みとなっているのでしょうか?
「Taptica」の傘下に入り、そのモバイル広告プラットフォームを武器に純利益が5倍くらい伸びました。他にもM&A先の候補はありましたが、会社の成長戦略にあわせて考えた時、強い武器になる広告プラットフォームを持っていて、かつ会社のカルチャーが似ているところに魅力を感じて「Taptica」に決めたんです。イスラエルの高い技術力によって作り出された広告プラットフォームと、アドイノベーションの強い営業力が強みです。
メンバーは全員、クライアントファースト思考で誠実なんです。徹底的に目の前のお客様を喜ばせる姿勢でいますので、お客様からのご紹介も多いですね。
今後、目指されていることはありますか?
「Taptica」はグローバルにおいてアドテクノロジーの領域で成長している企業ですので、よりグローバル展開を強化し、インバウンドとアウトバウンドを加速させていきたいと思っています。
更なる挑戦をするために、どのような人と働いていきたいですか?
指示待ちではなく自ら行動できる人ですね。兼任して仕事ができ、仲間を思いやりながらも変化を楽しめる人ですね。変化に対してその時々で考え、それを楽しめる人が良いと考えていますので、そのような人と一緒に仕事をしていきたいですね。
最後にメッセージをいただけますか。
起業や事業をつくることは一人ではできません。仲間を大切にして、仕事を楽しんでください。夢中は努力に勝ります。また、私は仕事や人生を一種のゲームと思って楽しんでいます。可能性を追求し、仮説検証を繰り返していくことで、成長を続けていくことができるのだと思います。
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