ウルトラキッチン株式会社
代表取締役 杉窪 章匡

石川県生まれ。24歳でシェフパティシエに就任し、2000年に渡仏。
1つ星の店舗での経験を経て、2002年に帰国。
帰国後、数店舗のパティスリーでシェフを勤め、2013年12月に独立。「365日」をオープン。
革新的なパン職人として活躍しながら、他店舗のプロデュースを担う。

早速ではありますが、杉窪社長はどのような経緯でパティシエを目指し、独立に至ったのでしょうか?

祖父が輪島職人という職人家系だったのですが、私は高校を退学して、どんな職に就くか考えた時に、美容師か飲食、土方などの選択肢があった中で、将来独立することを考えた時に飲食業の道を歩むことを決めました。
その中でもパティシエを目指したのは、料理を作って待つか、オーダーが入って対応するか2パターンあった中で、当時はオーダーが入って作ることが苦手でした。慌てて作るよりも思いを込めて作りたかったので、お菓子という業態を選びました。単価は安く、食べ歩きもでき、自分の努力次第で運営も経営も成り立つと考えたのです。

独立してからは、苦労したことはありますか?

私は24歳でシェフになり、独立する前の店舗でも年間売上5千万のお店を売上4倍にしていますので、苦労とかはないですね。
職人人生で人よりも努力していますし、問題にぶちあたらないようにリスクヘッジをし、未来を考えた計画をしています。
これらのことも独学とかではなく、自問自答を続けた結果、「問題解決」が必要なことに気づいたのです。

経営においても、「問題解決」を大切にされているのですね。

そうですね。シェフになることしか生き残る道がなかった時に、シェフは演奏者ではなく指揮者であり、演奏者がきちんと演奏できるように指揮をすること。だから演奏のスキルを身につけるのではなく、指揮者としてのスキルを身につけることが問題解決の一環になると考えたのです。だから、仕事はすべて問題解決ですので、問題解決力を上げることを考えるようにしています。
例えば、パンを焼くことや焼き鳥を焼くことではなく、問題解決をするためにパンを焼くことと捉えています。モノをつくることが仕事だと思い問題を放置しているケースがありますが、問題が何で起こっているか考えた時に、人・モノ・カネ・情報・設備でどう解決するか、それらをどう活かすか考えるようにしています。

店舗づくりにおいては、どのようなこだわりをもっていますか?

コンセプトと経営理念をつくることにはこだわっています。経営理念も地図やコンパスみたいなものだと思いますので、何か判断と選択をする時に、それがあることで本来辿りつきたい場所かどうか考えることができるからです。
店舗づくりにおいては、一番は場所、二番目は見せ方やサービス、三番目は商品にこだわっています。プロデュースをしていると場所は決まっているケースがありますが、悪い場所でも場所のせいにすることなく、昨年やってきたことが評価されているのかを振り返り、改善されれば良いと思っています。
だから、売上はお客様からの通知表だと思っていますし、売上よりも前年比をみるようにしています。前年よりも上がっていないことは満足されていないということになりますしね。
私も独立するまでは、お客様のことを考えるよう伝えていましたが、それではスタッフに分かりにくいことでもありますし、そうではなく売上に直結することが、お客様のためになるということを理解させることを伝えています。

今後、目指していることはありますか?

私は40歳の時に独立して、10年で年商10億を目標として達成見込みですので、今後は一次産業への参入を考えています。食材にこだわることが「365日」のコンセプトでもあり、生産者である農業の方々の高齢化を考え、それらの生産を担うことを考えています。
また、仕事の一部始終を子供達にみせることを各々が行っていけば、世界平和につながっていくと考えています。食の安全性は大事ですし、髪も皮膚も食べたもので変わりますので、当社は自然農家のオーガニックで添加物を使わずに、自分たちで加工するようにしています。だから、綺麗な心と体がつくられるようになるのです。

それらのことを、どのような方と実現していきたいですか?

どのような人でも、働けることを導くことが大切だと思っています。
組織の中の個人を責めることが多い社会ですが、解決方法を個人に押し付けるのではなく、組織で解決していくことが重要だと考えています。
利益をあげることだけではなく、良い人材をこの業界に輩出することが、私自身ができる社会貢献だと思っています。

最後に、メッセージをいただけますか。

自分のやれることとやれないことを理解して、目的にあわせてスキルを身につけることが大切です。
サービス業ですので、ライフワークバランスを一体化するようにしていますので、何を見ても聞いてもすべて仕事に直結させていますし、映画でも音楽でも感じたことを変換させています。
また、リーダーの条件としては客観性が必要で、どれだけ他者と異なるかが経営者の勝負だと思っています。だから独自の考え方を持ち、目的にあわせて方法論を変えることが大切です。

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