ノースショア株式会社
代表取締役社長CEO 石井 龍

埼玉県生まれ。高校卒業後、ブラジルにサッカー留学し、帰国後コンピュータグラフィックスの学校で、3DCG、映画編集、グラフィックスデザインを学ぶ。
その後、広告制作会社に移り2004年に劇場公開映画「NO MUSIC、NO LIFE」の監督を務める。CMディレクターとして数々のナショナルクライアントの担当を担う。
2008年2月にノースショア株式会社を設立。

早速ですが、石井社長はもともと起業することを考えていたのでしょうか?

会社経営をしていた父親に小学生の頃から「お前は将来何の会社の社長になるんだ?」と半分冗談で言われていたのを、「そうか、自分は将来社長にならなきゃいけないんだ」と、半分本気で受け止めていました。
22歳でCM業界に入り、プロダクションマネージャーからCMディレクターとなり、ナショナルクライアントのCMを担当するなど、早い段階で実績をつくれましたので、35歳までには独立をするという目標を目指していました。
ただその頃に、広告会社の方との行き違いが発生したことにより独立の決断ができ、31歳の冬に広告制作会社を退社し、2008年にノースショアを設立しました。

「CM」というものには、昔から興味があったのでしょうか?

はい。幼い頃から美術と体育が好きで得意でしたので、将来職に就くのであれば美術と体育の道で考えていました。最初は、体育の道としてサッカーでブラジルに留学したのですが続けていくことは難しかったので、帰国後には美術の道に進もうと学校探しを始めました。
当時は3DCGが盛んになってきた時で、今後技術的にも身につけたら強いだろうと考え、3DCGの専門学校に通いました。私は『トイ・ストーリー』みたいな世界観が好きで、そういったものをつくっていきたいと思いましたので、そう考えた時に制作予算が潤沢なTVCMが近道では、と思ったのです。
私が就職活動をしていたのは1999年で超が付く就職氷河期でしたので、書類選考さえ通らず希望する会社にいけないと思い、派遣会社を通じてTV局系の映像制作会社に入社をしました。
当時は手取り10万程だったのですが、自分の実力次第だと思っていましたので、日中はプロダクションマネージャーの業務をしながら夜から企画を考えて、翌日の打合せで出し続けていました。運良く3ヶ月目で自分の企画が通り演出までさせて貰えたりなど、1年目に作品を多数手掛け実績をつくることができた事で、次の総合広告制作会社に進むことになりました。

様々なご経験を通じて現在のノースショアを設立されたとのことですが、今までのご経営にあたり一番の危機はありましたか?

そうですね。1年目の秋にリーマン・ショックが起こったことで、それまで右肩上がりだったTVCM業界が初めて下降する事になり、業界全体でも将来的に斜陽産業になるのではという観測が広がりました。
自分の専門とすることが明るくないニュースしか流れず、もっとトイ・ストーリーみたいな大きなインパクトを与えられる仕事をしたいと思い、知り合いの紹介でバイオ燃料事業に乗り出しました。ただ、結果的にはうまくいかず、資金がどんどん減少していったのです。
それからは、お客様に対し企画と編集、演出ができることを訴求したプレゼンを強化することで売上をつくり、業務委託としてカメラマンやコピーライターにも声をかけ、2013年に30〜40人程も協力して下さる方が集まってくれました。
今まで3、4枚だった会社説明資料も、様々な方の作品を載せることで20,30枚にもなり、仕事の受注単価もあがっていきました。それらのことが、今に繋がっています。

現在では、一緒につくる仲間も増えているとのことですが、どのようなところを強みとされているのでしょうか?

当初は映像制作だけでしたが、現在ではグラフィックからデジタルコンテンツなど、広告制作におけるほぼ全てに対応できるようになり、ストラテジスト、プロデューサー、デザイナー、プランナー、Webディレクター、テクニカルディレクター、エンジニアなど、社内ですべて完結できることで制作スピードが上がり、クオリティを押し上げ、結果コストパフォーマンスに優れるという評価をいただくことが多いです。
このような体制になったのは、クライアントのニーズに応え続けていたからだと思います。
そのため当社では「バイリンガルクリエイター」を育てることを念頭に置き、専門性のあるクリエイターをメディアバイリンガルに育て、クライアントのニーズに応え続けていくことを考えています。
とにかく、クライアントのニーズに対応・変化していくことで、ノースショアのニーズはなくならないと思っていますし、この先もずっとクライアントのニーズに対応していきます。

より一層、お客様に応えていくために、今後どのようなことを目指されていますか?

大きく戦略立案と制作と領域が2つある中で、その2つの領域を自社で一気通貫して対応することを目指していきます。
従来の広告領域はこれまで4マス媒体に対応をしていれば良かったのですが、デジタルの技術革新が進んだ現在では、クライアントが自らメディアをつくり出せる時代になっていますので、今後はますますどのメディアを選択するか、のニーズが高まると考えています。それらを含めたトータルでのクリエイティブソリューションをクライアントに提供していくことが、ニーズが広がっていくと思っています。

目標を実現していくために、今後どのような方と働いていきたいですか?

クライアントのニーズや社会の変化に対応できる方が良いですね。変化に素直に向き合い、新しいことへのチャレンジ精神がある人。
さらに自分の夢や目標を持っている方は、「自分が何歳までに何をしたい」と具体的な考えを持っていて、現状とゴールのギャップを埋めるために自ら学び成長しようとする方だと思いますので、そういった方と一緒に働いていきたいですね。

最後にメッセージをいただけますか。

AIやRPAなどの出現で将来的な働き方が変化していく時代になって来ていますが、我々クリエイターはそれらを活用しながら、クライアントの本質的な課題をクリエイティブとテクノロジーでビックアイディアを産み出し解決していくのがミッションだと思っていますので、今後もクリエイティブのマーケットは広がりながら、ますます盛り上がっていくと思っています。

「ノースショア株式会社」を詳しく知りたい方はこちら
https://www.north-s.co.jp/