株式会社コンスピリート
代表取締役 村上幸生

東京都三宅島出身。金融機関や不動産業界を経て不動産投資会社のスターティングメンバーとして賃貸管理や仕入、売買等を役員として10年間統括。
その後、2007年に株式会社コンスピリートを設立。

 

 

はじめに、コンスピリートの設立経緯についてお聞かせください。

もともとバーテンダーをしていたこともあり自分のお店を開きたく、お金が稼げそうだという理由から不動産業界に飛び込みました。私が20代前半の頃は、いわゆるバブル期に近い時代で、金色のアクセサリーを身につけているような不動産業界、金融業界の人たちがほとんどでしたね(笑)
もう一つの理由は、実際に不動産業界の方のお話を聞いて、学生卒業後に勤務した金融機関での経験も活かせるのではないかと思ったからです。
コンスピリート立ち上げ以前は、とある不動産投資会社で役員を務めていましたが、とにかく売上至上主義の会社でした。売上を伸ばし会社を拡大するために、来月・再来月の売り上げだけをひたすら追い続けるという価値観に違和感を覚え、もっと顧客のためになることをしたいと思ったのがきっかけです。
売上至上主義になることによって、結果的にお客様のためにならないものまで売ることになってしまう、そのジレンマをどうにか払拭したかったんですね。
そこで、当時同じ想いを抱いてくれていた仲間と共に会社を立ち上げることにしました。

同じ不動産業界での起業というのは、これまでのご縁があったからでしょうか?

そうですね。不動産業界は、お客様と20年、30年のお付き合いになる世界なんです。少なくともこの業界に入っていなければ、おそらく口すら聞いてもらえない様な富裕層の方々や名だたる著名な方々とお話する機会を持つことができますし、そのような方々が自分を頼ってくださるということに魅力を感じています。それだけ責任がついてまわりますが、それ以上に面白さの方が上回っているのは今も変わりません。
この方たちを裏切ったら人生損だな、一生この方たちとお付き合いさせていただきたいなと思いながら、この仕事をずっとしてきました。

これまでの経営の中で、最大の危機はありましたか?

まさに今年、このコロナ禍が最大の危機でしたね。景気に左右されたり、売上が厳しくなることはこれまでもありましたが、それ以上に「仕事をするな」と言われたのは初めての経験でしたね。社員にもそのように言う日が来るとは自分でも想像したことがなかったです。
もちろん大変でしたが、この状況になって得られたこともあると思っているので、嫌なことばかりではなかったですけどね。ただ人生を振り返ってみても一番大変な時期だったとは思います。

これまでになかった厳しさとはどのようなことだったのでしょうか?

人との関係構築が難しかったですね。例えば、お客様にお会いしたくてもお会いできない。スタッフに指導をしたくても対面ではできない。目の前にいればお互いの感情が伝わる様なことでも、オンラインで画面を通すとやはり難しい。そこに慣れるまでは、相手が何を考え何を思っているのかを読み取るのに苦戦をしました。お客様に不動産運用の提案をするにしても、スタッフと打合せや雑談をするにしても、対面ではないという状況になかなか慣れずに、最初の1~2ヶ月は本当に苦しかったですね。
この状況下で自らが積極的に仕事に臨んでいいものか、スタッフに仕事をさせていいものか、すごく悩みました。

それらをどのように乗り越えたのでしょうか?

業界の中では割と早い段階で在宅勤務を取り入れ、3月の半ばくらいから在宅勤務へとシフトしました。在宅勤務でも意外と対応できる、と実感できる様になるまでに2ヶ月程かかりましたね。
最初から「在宅はできない」と決めつけず、全社員が自宅で仕事をできるためにはどうすべきかといったゴールから考えて組み立てていったので、思ったよりも困らずに在宅勤務へ移行することができました。オンラインで不動産の商談をする日が来るなんていまだに私は理解が追いついていませんが(笑)。会社に電話がかかってこない、電話の音が鳴らないという状況に慣れるのにも時間がかかりましたね。
ただ、これらを乗り越えることができたのは、本当にスタッフのおかげです。

貴社ならではの強みはどのようなところでしょうか?

地に足をつけて、自分たちにできることをしっかりとやっていこうという考えは創業以来変えていません。お客様一人ひとりのオーダーメイドで、本当に必要なものを提供するというところにこだわりを持っています。お客様のことを思って行動していると、相手は私たちを頼ってくださいます。そして頼ってくださるお客様というのはさらに我が社を勧めてくださるんですよね。設立から10年間はずっと口コミでやってきましたし、口コミは最も強力なマーケティングだと考えています。
これができるのは我が社がお客様のことを最優先に考え、お一人おひとりにあったものを提供し続けてこれたことの結果だと思います。

お客様のことを考えられる人こそが貴社に必要な人材でしょうか?

そうですね。これまで話してきたような価値観を共有できる人でないとやっていけないと思います。例えば営業職だとインセンティブがあったりしますよね。そうすると、多少相手が損することになっても売ってしまおうとする場面がどうしても出てくるものなんです。こういった人たちは我が社では働けないと思います。小さな嘘をついて目の前の100万円を得るよりも、嘘に逃げないことでお客さまから長く信頼を寄せてもらえる、その方が重要だという価値観を共有しています。
お客様の喜ぶ姿に自分たちも喜びを感じられる、そうした方々と一緒に働きたいですね。

今後の展開としては、どのようなことをお考えでしょうか?

管理物件数を増やすことはこれからも力を入れていきたいと考えています。今当社で管理している物件数は全国で3,400件を超えたところです。これをさらに増やしていきたいと思っています。質の高い管理とコンサルができる企業というのは大手を含めて実はすごく少ないんですね。大きな話になりますが、不動産業界全体が高い意識と倫理観を持ち、お客様に寄り添った業界となれるように動く、例え微力でもこれが当社の使命であると思っています。その延長線上で、今後はオーナー様向けに資産管理アプリの導入も予定しています。
また、本社を自由が丘に移転したのも、地元にもっと根付く会社でありたいと考えているからです。不動産はライフステージによって変わるものですので、地元の人たちが「コンスピリートに行ってみようか」と利用していただけるような会社になっていきたいと思っています。そのためにも来年からは積極的にオンライン、オフライン問わずイベントの開催なども実施していく予定です。
自由が丘は、職と住が溶け合っていて、雑貨やファニチャーの店舗も多い。リノベーションとの親和性が非常に高い街だと考えています。その自由が丘の文化とコンスピリートの方向性とがすごく重なっているように見えました。この街ならコンスピリートを地域に根付いた不動産会社へ成長させてくれるのではないか、とワクワクしている毎日です。

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https://www.c-sp.jp/