株式会社FiNC Technologies
代表取締役 CFO 兼 CIO 小泉 泰郎

東京大学経済学部経済学科卒。ダートマス大学エイモスタック経営大学院経営学修士取得。
1986年に日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。1999年にゴールドマン・サックス証券に入社し、資本市場本部共同本部長兼公共セクターインフラユーティリティーセクター本部長を務めた。
その後、2014年株式会社お金のデザイン取締役(非常勤)に就任。他にも、ISAK発起人、TABLE FOR TWO Internationalアドバイザー、パーソナリティモビリティーを標榜するベンチャー企業Whillのアドバイザー、FC今治のアドバイザリーボード幹事など多方面で活躍。

早速ですが、FiNC Technologiesに参画することになった経緯を教えてください。

前職を引退して1年した時に、興銀時代の先輩でFiNC副社長の乗松から声を掛けていただいたことがきっかけです。代表の溝口を含めた経営陣に会って話を聞いたところ、とても素晴らしい事業を行っている会社だと思い、個人で投資をしたいと考えていました。
当時CFOを探しているということでしたので、知り合いの紹介を考えていたのですが、それからすぐに溝口から「小泉さんにCFOをやっていただきたい」と熱烈オファーをもらったのです。その後3日連続で食事にいって口説かれ、最終的には熱意にやられましたね(笑)。
実は、当時他の上場企業の代表ポストの話をもらっていたのですが、FiNCのメンバーは情熱を強く持っていて、「日本に新しい産業をつくりたい」「スポーツに恩返しをしたい」という自分の想いともリンクしたので決断しました。

就任されてから苦労されたことはありましたか?

最初は、前職で一緒に働いてきた人とは違うタイプの人が多く、苦労することはありました。
ただ、実は高校生の頃に席替え委員長をやるなどクラスの盛り上げ役だったこともあり、メンバー1人ひとりをよく見てコミュニケーションをとることを心がけていますので、楽しい雰囲気づくりができていると思います。
社員のことは家族だと思っています。社員から電話がかかってきたらどんな時でもすぐ対応するようにしていますし、お客様は全身全霊で対応するのは基本ですが従業員に対しても同じ気持ちで接しています。

運営されている『FiNC』アプリは今年の11月に400万ダウンロードを達成されたとお聞きしました。どういった点がそれほど多くのユーザーを惹きつけているのでしょうか?

歩数・体重・睡眠などのライフログの管理やヨガやストレッチ、ヘルシーレシピなどの動画配信など、ヘルスケアに関するアプリは世界に32万個ほどありますが、それらを1つのアプリにまとめてプラットフォームとして行っているのはFiNCアプリだけです。
社員の3分の1はエンジニアですし、それ以外にもプロダクト開発やデザイナーなどもいて、アプリは全て内部で開発をすることで、スピード感をもって常に試行錯誤と改善を繰り返して多くの人に使われるアプリを作っています。
ヘルスケア領域におけるこれだけの分野を一つのアプリにまとめて提供するにも、相当な時間と資金が必要となりますが、長くやり続けていることで日本で一番のアプリにまで成長させることができましたし、そういった点が期待されて資金調達に繋がっているのだと思います。

なぜ、海外も視野にいれているのでしょうか?

日本で一番になったとしても、これから日本は人口が減少していきますし、世界に目を向けた先には市場の規模が全く違うのでグローバル前提は当たり前だと思っています。
例えば、昔SONYの製品は日本の会社がつくった製品だと知らずに使っている人がいると聞いたことがありますが、いいサービスだったら文化の差があっても全世界の人に使ってもらえるはずですので、より多くの人に使ってもらえるサービスにしていきたいです。

今後は、どのような展開を考えられているのでしょうか?

現在はサンフランシスコに海外拠点をもち、インドの会社と提携して事業を推進しております。
FiNCは人工知能がパーソナルトレーナーのように個々のユーザーのニーズをきいてアドバイスをしたり話しかけたりしてくれるのですが、その英語翻訳を進めているので、まずはアメリカやイギリスなどの英語圏に広めていきます。最新の技術を使えば多言語対応は難しいことではないので、アジアなどにもどんどん進出していきたいですね。

それらを目指すために、今後どのような方と一緒に働いていきたいですか?

情熱や好奇心を持っている人ですね。私自身も金融の分野においては誰にも負けないという自信がありますが、「エンジニアでこれは自分にしかできない」とか「トレーナーで日本一になりたい」など情熱の向かう先は様々で良いと思っています。
世の中の変わるスピードは早いですし、一度きりの人生だと思いますので、そういった情熱や好奇心を実行まで移せる人と働きたいですね。

最後にメッセージをいただけますか。

我々は、サービスを立ち上げたのがたまたま日本でしたが、自分たちの製品でより多くの人を幸せにしたいと本気で思っていたら、世界中の人にそれを届けようとすると思います。
誰かに頼まれてGoogle を使っている人はいなくて、便利で良いサービスだから世界中の人が当たり前に使っています。ある程度のローカライズは必要ですが、それよりもベースの部分が良いサービスなら自然と世界に広がっていくと思います。
日本は最近自虐的な論調が多いですが、全くそんなことはなく、食事・長寿・文化・テクノロジーなど、様々な面で世界からリスペクトされています。そういった恵まれた環境を活かして、日本発のGoogleのようなサービスをつくっていきたいです。

「株式会社FiNC Technologies」を詳しく知りたい方はこちら
https://company.finc.com/